課題名 |
a.農業水利施設の機能診断・維持管理及び更新技術の開発 |
課題番号 |
2008010690 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構
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研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,農工研,施設資源部
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協力分担関係 |
建設技術研究所
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研究期間 |
2006-2010 |
年度 |
2008 |
摘要 |
1)農業水利施設が持つ機能の変化予測については、農業水利コンクリート構造物の表面粗さから粗度係数を算定する推定式を提案した。また、農業用コンクリート水路の表面におけるカルシウム溶脱が、水路躯体の強度低下をもたらしていることを明らかにした。2)農業水利施設の劣化進行については、農業水利コンクリート構造物に関するモルタル供試体からのカルシウム溶脱促進試験を行い、電子線マイクロアナライザーの測定結果から、水セメント比によって溶脱深さが異なることを明らかにした。3)フィルダムの時系列的な性能予測については、実ダムの挙動の観測結果と解析結果との比較により、飽和・不飽和圧密解析手法は、フィルダムの築堤から湛水までの期間におけるダム提体の挙動を再現できることを明らかにした。4)農業水利施設のLCC適用手法および優先度判定のためのマクロ指標に関連して、農家・地域住民による小規模コンクリート水路の簡易点検・診断・補修マニュアルを作成した。また、農業水利施設等の農村社会資本ストックは、平地農村を中心に蓄積が図られていること、昭和60年度から平成16年度においては中山間地域で顕著に増加していることを明らかにした。5)農業水利施設の機能回復技術については、実証試験および有限要素法解析により、19年度に開発した水路補修工法の補修材料である高靭性セメント複合材料には伸縮挙動が発生することを確認し、補修材料の耐久性について継続的なモニタリングを行う必要性を明らかにした。6)水路の水理機能の診断・評価に関しては、地震時動水圧のリアルタイム観測装置による現地観測とポンプ急停止を想定した水撃圧モデル作成等により、地震のリスクを考慮した水理機能評価ソフトウェアを構築した。7)地域用水機能を向上させるための水利システム設計技術については、既存の水利システムを対象とした現地観測により土地利用別の浮遊懸濁物質SS流出機構の相違、ダムやため池の濁水流動形態の季節別相違、pH値の変化に依存する沈降特性等を明らかにし、それらの基本的なモデルを構築した。8)農業水利施設の省力的な維持管理技術については、筏状構造を持つ落下水音低減装置の落差工への設置方法を提案し、その効果を検証した。また、ため池群改修において、平均分散モデルによるLCC最適化手法の適用性を検証し、簡便な効果概算システムを構築した。
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カテゴリ |
管理技術
ストック
中山間地域
水管理
モニタリング
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