(1) 農業環境の長期モニタリングと簡易・高精度測定手法の開発

課題名 (1) 農業環境の長期モニタリングと簡易・高精度測定手法の開発
課題番号 2008010740
研究機関名 農業環境技術研究所
研究分担 (独)農業環境技術研究所,大気環境研究領域
協力分担関係 農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 ア 地球温暖化に関する物理環境・ガスフラックスの変動の検知とモニタリング技術の高度化1)温室効果ガスフラックスのモニタリング 国、気象条件や作付け体系が異なる4ヶ所の水田サイト(つくば市真瀬:イネ単作、岡山:イネ・オオムギ二毛作、中国江蘇省江都:イネ・コムギ二毛作、バングラデシュ・マイメンシン:イネ二期作)で、ガスフラックスの観測を継続した。これまでに収集したデータから、イネ単作田(真瀬)では、耕作期間の純生態系生産量(NEP)の半分以上に相当するCO2 が、年間の2/3 を占める非耕作期間に生態系呼吸量(RE、非生育期間は土壌呼吸量に等しい)として放出されていること、イネ・ムギ二毛作田(岡山、江都)では非耕作期間が短いため、ほぼ年間を通じてCO2 が吸収されていること等各サイト(作付け体系)の特徴が明らかになった。また、世界の様々な生態系のNEP と各サイトのNEP を比較すると、イネ・ムギ二毛作田やイネ二期作田は、世界的にみてもNEP が大きな生態系といえ、国内の水田の特徴が明らかになった。 国内牧草地4 サイト(中標津、静内、那須塩原、小林)において4 年目の温室効果ガスフラックス観測データを蓄積した。各サイトの堆肥非施用区の2005 年~2007 年のNEP は、年次間変動は大きい(150~360 gC m-2 year-1)が、3 年間の平均値はイネ単作田とイネ・ムギ二毛作田の中間に分布し、概ね牧草の生育期間の長さとともにNEP が増加する傾向を示した。2)物理環境のモニタリング 観測データが僅少であったチベット高原植生限界付近で、詳細な気象データを蓄積するとともに、降水量データの解析を行った。その結果、降水はモンスーン期(6 月~9 月)に集中しており、降水量のピークは中腹の5,100m 付近に現れることを明らかにした。山岳では、日中、斜面に沿う気流の断熱膨張で水滴が形成されるため、降水量の極大値が中腹に現れることが知られているが、同様の現象が標高4,000m を越えるチベット高原でも観測されるなど、貴重なデータを収集できた。イ 作物・土壌中における放射性物質等の長期モニタリングと微量化学物質の簡易・高精度測定手法の開発1)農業環境中の放射性物質の長期モニタリング 平成19 年産の全国各地の基準ほ場における米・小麦及びその栽培土壌の放射性ストロンチウム(90Sr)、放射性セシウム(137Cs)を分析したところ、平成18 年産と同レベルであり、顕著な濃度変化は認められなかった。また、本研究所内の環境放射能調査ほ場におけるホウレンソウ、ニラ及び茶について放射性物質を分析したところ、ウラン系列核種の214Bi が0.1 Bqkg-1 以下、210Pb が茶葉では3 Bqkg-11 程度、他は1Bqkg-1 以下で検出された。131I、134Cs、 137Cs は検出されず、継続して測定しているホウレンソウは平成18 年産と同レベルであり、顕著な濃度変化は認められなかった。 2)農業環境における微量化学物質の簡易、高精度分析法の開発 有機ヒ素化合物は農業環境中に様々な形態で存在し、それぞれ異なる毒性や特性を持つため、形態別分析法の高度化を進めた。ICP-MS の前処理として液体クロマトグラフィーを用いる分析法について検討し、還元が進んだ土壌において存在した未知有機ヒ素化合物をジメチルフェニルアルシンスルフィド及びメチルジフェニルアルシンスルフィドと同定した。 残留性有機汚染物質(POPs)の多成分分析法の開発については、国際共同研究(日本、韓国、ドイツ、米国の4カ国)の成果として水系におけるPOPs 分析法のマニュアルを作成した。この分析法は標準業務手順書に沿って開発が行われ、多成分(22 種)のPOPs 分析のための具体的な方法を示すものである。この成果は、 POPsの多成分分析法の開発を大きく前進させるものである。
カテゴリ 大麦 水田 茶 二毛作 にら ほうれんそう モニタリング

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