(3)熱帯・亜熱帯地域における家畜飼養技術の高度化とアジアの乾燥地における持続可能な農牧業生産システムの構築

課題名 (3)熱帯・亜熱帯地域における家畜飼養技術の高度化とアジアの乾燥地における持続可能な農牧業生産システムの構築
課題番号 2009014022
研究機関名 国際農林水産業研究センター
研究分担 (独)国際農林水産業研究センター,畜産草地領域
協力分担関係 モンゴル国立農業大学
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 ・ 平成20年度作成したタイ語版飼料成分表を英訳し、平成21年度新たにデータを追加して肉牛飼養標準試作版(平成21年11月)に飼料成分表として収載した。さらに、実験手法を統一するために栄養試験法マニュアルをタイ語で作成し、各研究機関に配布した。・ 呼吸試験装置を使用した試験結果から産出した代謝エネルギー要求量(MEm)は、代謝体重1kg・1日当たり460kJ、長期飼養試験の試験結果から算出した維持に要するMEmは代謝体重1kg・1日当たり498kJ及び増体に要する代謝エネルギー要求量(MEg)は日増体量1g当たり20.2kJと推定された。これらの結果から、熱帯地域で飼育されているブラーマン種牛などBos indicusのMEmは、欧米で主に飼育されているBos taurusのそれと比較すると低いことが明らかになった。・ ブラーマン交雑種雄肉牛を飼養するタイ南部の小規模肉牛農家において、アブラヤシの葉を粗飼料として4水準のタンパク質配合割合に調製した完全混合飼料(TMR)を給与し実証試験を行った。その結果、日増体量はタンパク質給与水準の増加に伴い直線的に増加し、この結果から算出された維持タンパク質要求量は代謝体重1kg・1日当たり5.68gであり、タイ肉牛飼養標準で推奨された値(5.46)とほぼ一致した。以上の結果より、タイ肉牛飼養標準を実際の農家で活用できることが明らかとなった。・ 平成20年度に開発した飼料配合設計プログラムを1年間試用し、ユーザーから寄せられた意見に添って技術的な問題や操作性について改善を加えた英語版の飼料配合設計プログラム(BRATION 52)を発表した。今回のバージョンアップを受けて、BRATION 52の使用説明会を、平成21年度は4カ所で開催した。・ 二倍体ルジグラス(有性生殖性)由来の四倍性エンブリオジェニックカルス(Eカルス)を標的細胞としてパーティクルガン法によりpLip-DREBの導入を試みた結果、10個体でDREB遺伝子の存在が確認された。・ 草地の個別的利用権制度のある中国内モンゴル自治区の牧畜経営と草地がオープンアクセスであるモンゴル国の牧畜経営の状況を比較したところ、中国内モンゴル自治区に比べてモンゴル国では人口圧が同じでも放牧圧が高く、その要因として家畜の屠殺率が低い上に若齢屠殺が少なく、家畜当たりの飼料給与量が少ないことが推察された。・ 放牧試験結果から、草の生産速度、枯死速度及び採食量を推定するモデルを作成した。また、寒冷期放牧条件下で補助飼料(フスマ)の給与と羊の体重減少抑制効果について検討し、体重減少の抑制効果は当歳羊よりも明け2歳で大きいことが示唆された。・ 家畜の成長と畜産経営の統合モデルを作成し、家畜頭数の変化、放牧圧の変化及び牧畜世帯の純収益の変化について長期予測を行った。現状を仮定したベースライン予測によれば、今後家畜の放牧圧が上昇するとともに牧畜収入が増加する。・ 保全している冬営地への他のソム(村)からの牧民の侵入等について、牧民と地元行政職員を対象としたワークショップにより改善策を検討した結果、ソム行政間の協定の遵守の徹底が行われ、冬営地の保全が計画的に実施できるようになった。これらの取組に基づく放牧地利用計画の策定-実施-モニタリング・評価に関する放牧地利用ガイドラインが、ウブルハンガイ県、モンゴル国立農業大学及びモンゴル食糧・農牧業・軽工業省によってモンゴル国での標準ガイドラインとして承認された。・ 水資源管理技術マニュアルの手法を用い、牧民をグループ化し井戸の利用主体を明確化するとともに、牧民主体の井戸修理チームを設立し、井戸修理費用確保のため各牧民が成雌羊を拠出する「羊ファンド」の設置を含む井戸修理方法についての技術マニュアル(案)を用いて研修を実施したところ、タラグトソム・トヤバグ及びバローンバヤンウランソム第2バグにおいて井戸の改修が牧民自身によって行われ、マニュアルの実効性が確認された。・ 黒竜江省で実施した酪農家調査の結果、処理技術・方法に関する知識がない、糞尿処理にかける経費が捻出できない、まとまった量がないため耕種農家が収集に来ないといった理由により、小規模・零細層の存在が環境負荷を増加させる主たる原因となっていることが明らかとなった。・ 飼料的価値の低い作物残渣による飼養を行っている酪農家もまだ多く、飼料給与改善によって乳量を増加できる可能性が高い。改善手法として、牛糞の土壌還元による退化草地改良・採草地化を通じて環境調和型畜産経営システムを利用できる可能性が大きいことを明らかにした。
カテゴリ 亜熱帯 乾燥 管理技術 経営管理 肉牛 乳牛 モニタリング

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