課題名 |
m.茶の効率的施肥技術の開発及び少肥適応性品種との組合せによる窒素施肥削減技術の開発 |
課題番号 |
2009013881 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構
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研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,野茶研,茶施肥削減技術研究チーム
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研究期間 |
2006-2010 |
年度 |
2009 |
摘要 |
1)数値計算モデルにより、茶園土壌中における水分のほか窒素の移動についても精度良く再現できた。また、液肥の施用や施肥幅の拡大により、亜酸化窒素発生量を削減できることが示唆された。茶の収量・品質の向上には土壌pHよりも塩基バランスの改善が寄与していることを明らかにした。茶園土壌の糸状菌DGGE(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動)バンドパターンから堆肥連用の有無をおおまかに分類できた。2)「あさのか」後代の白色根内アミノ酸含量は連続的に変異することから、「あさのか」の高い窒素吸収・同化能力はQTLにより支配されているとが示唆された。QTL解析に利用する連鎖地図を作成するためのSSRマーカーを161個選抜した。品質に関与するアミノ酸の生合成制御に関する基礎的知見としてマイクロアレイ解析により、グルタミン酸とエチルアミンの併用処理で発現量が変化する遺伝子を見出した。 3)少肥適応性候補系統「金谷30号」は、暖地において他の早生品種に比べ良好な初期生育を示した。挿し木苗における無機態窒素吸収の品種間差は、硫安施肥後の葉中グルタミン含量の違いに現れ、「金谷30号」では「やぶきた」より顕著に高かった。品質特性と少肥適応性との関係をほ場試験により調べ、緑茶6品種・8系統の一番茶期の新芽においては窒素施肥量を減らすとカテキン類含有率が増加することを明らかにした。4)効率的施肥区(液肥点滴、肥効調節型肥料)では、少肥適応性品種候補「ふうしゅん」は「やぶきた」に比べ一、二番茶とも5割増収し、品質も慣行施肥区と同程度に維持できることを明らかにした。土壌pHは慣行施肥区のうね間が最も低く、効率的施肥技術により土壌の強酸性化を抑制できる可能性が示された。
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カテゴリ |
肥料
挿し木
施肥
茶
品種
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