課題名 |
極良食味米の開発促進 |
研究機関名 |
北海道立上川農業試験場
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研究分担 |
水稲科
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研究期間 |
継H16~20 |
年度 |
2008 |
摘要 |
特A米産地形成のできる府県の「コシヒカリ」並みの良質極良食味品種を早期に開発することを目的とする。特にアミロース(2%減)およびタンパク質含有率(1%減)を従来品種より低下させた系統を作出する。耐病性、耐冷性選抜にDNAマーカーを活用し、さらに、上記の食味関連形質における有用素材の作出を行うことを目的とした。 1)耐冷性、耐病性検定は中期世代を中心に検定し、強以上の系統を見出した。 2)いもち耐病性Pb1を保有する5系統(ほしのゆめが戻し親)の耐病性を評価した結果、穂いもちでは中~やや弱系統が見られ(H19は中~やや強)、前年までよりも弱く判定されたが、「ほしのゆめ」よりは1~2ランク強かった。耐冷性は1系統が極強であった。供試した5系統は生産力試験を行ったが、「ほしのゆめ」とほぼ同程度の生育であった。交配後代は養成中であり、さらに新規抵抗性を持つ遺伝資源と交配した。系統選抜は2組合わせ行い、それぞれ5および15系統を圃場選抜した結果、それぞれ4と6系統ずつ選抜した。3)今年度の育種規模は表1に示したが、極良食味に関する交配数は45であった、中期世代の材料を穀粒判別機により玄米外観品質(粒厚、粒形、着色等)を判定した。また、生産力本試験から1系統良好な結果(アミロースおよび蛋白質含有率は「ななつぼし」より低い)であったため、極良食味系統として上育462号として新配布予定である。葉いもち病抵抗性はやや強であり、炊飯米の白さやつやに優り、「ななつぼし」基準の食味官能総合評価では+0.98であった。また、本課題中に育成された極良食味である上育系統は6系統であった。北海PL9の持つ低アミロース性のDNAマーカーでは、低アミロース因子をもつ個体・系統においては、非低アミロース親に比較してアミロース含有率が低下し、選抜材料における確かな作用力が示唆された。また、系統内の個体分離を確認することができ(遺伝子をヘテロにもち固定していない)、適度なアミロース値を持っていても系統の中で分離していることもあり、選抜には有効である。 4)ガンマー線M1個体は、稔実率が全体的に低かった。圃場にて「上育455号」由来195個体、「上系06007」由来270個体それぞれ選抜した。全体的に稔性が低く、圃場の中には矮性個体や縞葉個体が見られたが、概ね正常な生育をした。昨年の結果では222系統中、19%以下の系統は15系統あった。それから選んだ系統の蛋白質に関しては、低い個体はほとんど観察されなかったが、アミロース含有率は18%前後の個体が選抜された。
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カテゴリ |
育種
遺伝資源
いもち病
DNAマーカー
抵抗性
品種
良食味
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