有機農産物生産技術の確立、(3)野菜有機農産物生産技術の確立

課題名 有機農産物生産技術の確立、(3)野菜有機農産物生産技術の確立
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 作物園芸部
生産環境部
会津地域研究所
浜地域研究所
研究期間 継H18~H22
年度 2008
摘要 目的:野菜有機農産物生産技術の組み立て及び解析、品質評価、コスト分析等を行い、本県独自の有機野菜栽培技術を確立する。、成果:(1)トマトの有機栽培技術:トマトの有機栽培では、これまでの研究成果である抵抗性品種による葉かび病抑制、株間送風による灰色かび病抑制、ハンディブロアによる受粉促進などの技術を組み合わせて実証したところ、慣行栽培並の収量をあげることができた。株間送風における湿度分布を調査したが、ダフト付近の湿度が低かったことから、中心となる果実付近にダフトを配置するとよい。追肥方法では、発酵鶏糞による穴肥及び菜種油粕原料の自作液肥の肥効を確認したところ、これら有機肥料は市販の有機液肥と同等以上の収量が得られ、特に発酵鶏糞は安価で追肥効果が高かった。、(2)有機栽培用培土の消毒法:自作倍土の作成では、有機栽培の畑土を使用すると土壌病原菌等による汚染が懸念されるため、発酵熱で土壌消毒をする培土の作成方法を検討した。培土を高温発酵させるには、原土100リットルに対して堆肥60リットル、米糠21kgを混合し、それを無加温パイプハウス内に山積みにして藁等で保温すると、55℃以上の発酵熱により土壌殺菌することが可能であることがわかった。この培土を使用する際には、原土とピートモスを1:2~1:3の割合で配合するとよい。実際にトマトを育苗した結果、生育は市販有機園芸培土に優った。また、トマト萎凋病の汚染土壌を用い、この方法で高温発酵処理した培土をトマト育苗に使用したが、発病は見られなかった。、(3)露地野菜「ダイコン、ブロッコリー、キャベツ」の有機栽培技術:露地野菜の有機栽培では、ダイコンは「キスジノミハムシ・タネバエ」、ブロッコリーやキャベツでは「アオムシ・ヨトウムシ」などによる害虫被害が多く見られるため、これまでの研究で秋冬ダイコンの遅まきマルチ栽培による虫害軽減効果、春まきブロッコリーの被覆栽培や収穫期前進化による虫害軽減効果などを確認した。春まきブロッコリーは、2月下旬播きによる大苗を4月上旬の早限に定植し収穫期を前進化させると虫害が軽減でき、または不織布(光線透過率90%)をべたがけするとほぼ0%に抑えることができた。春まきキャベツは、不織布をべたがけすることにより害虫被害を防ぐことができた。また、春まきキャベツは、軟腐病や黒腐病の発生が懸念されるが、3月播き・4月定植による収穫期の前進化、マルチ被覆による泥の跳ね上がり防止、無中耕により葉茎の損傷がなかったことが、これら病害の発病抑制につながったと考えられる。
カテゴリ 有機農産物 肥料 土づくり 有機栽培 育苗 害虫 キャベツ コスト 栽培技術 受粉 だいこん 抵抗性品種 土壌消毒 トマト ブロッコリー 野菜栽培

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