有機物および地力の肥効パターンを考慮したブランド米づくり

課題名 有機物および地力の肥効パターンを考慮したブランド米づくり
研究機関名 宮城県古川農業試験場
研究分担 土壌肥料部
研究期間 完H19~21
年度 2009
摘要 目的:一定水準の品質・食味の米を安定供給するために,有機物および地力の肥効パターンを考慮した効率的な化学肥料節減栽培の確立を目指す。、成果:1)ひとめぼれの節減栽培では,有機入り化成肥料とm2当たり籾数の関係は,「有機入り化成肥料」では施肥窒素(基肥+追肥)1kg当たり約1.7千粒/m2,追肥省略をねらった「有機入り一発型肥料」では1.8千粒/m2程度の増加が見込まれる。 2)各肥料の窒素供給パターンは,5月1日に基肥として5 g/m2施肥した場合,8月中旬頃までには全ての肥料で4 g/m2超に達することから,全窒素のほとんどは穂揃期までに供給されることが明らかとなった。ただし,供給量がピークに達するまでの早さは肥料によって違いがあり,追肥向けに市販されている肥料は特に早い傾向であった。、 追肥省略できる「有機入り一発型肥料」は,有機質成分由来の窒素供給が7月初めまで続き,その後被覆肥料からの供給が始まる傾向を示した。したがって,施肥日によって時期がやや変動するものの,被覆肥料からの溶出がおおよそ穂肥の役割をするように配合されていることが裏付けられた。追肥向けの肥料を仮に7月5日に2 g/m2施肥した場合,最も早い肥料で7月15日頃,遅めの肥料では7月下旬頃までに大半の窒素が供給され,幼穂形成期に施肥した場合出穂期までにはほぼ窒素供給が終わるものと考えられた。 3)ひとめぼれの節減栽培で,牛ふん堆肥1.5t/10aを連用すると,基肥は窒素成分で0~20%節減できる。牛ふん堆肥2.5t/10aの連用では基肥は窒素成分で30~40%節減できるが,玄米品質が低下する傾向がある。 4)ひとめぼれへの窒素供給パターンにおいて,穂揃期の茎の太さ(長径),出液速度等の活力,収量構成要素等を考慮すると,肥効が穂揃期頃まで持続する後期溶出(追肥有)は穂数・籾数が確保され,茎も太めであり,適切な肥培管理であると推察された。有機化成も茎は太めだが,穂数・籾数が少ないため生育に合わせた追肥が必要と考えられた。 5)ササニシキでは,籾数予測のための重回帰モデルを作成し,「適正籾数を得るための窒素吸収パターンの目安」を作成した。既報告の「稲態窒素吸収量推定モデル」や「籾数予測モデル」が節減栽培においても適応可能であることが確認できた。後期溶出型の肥効パターンは登熟期の葉色を維持し,白未熟粒率の軽減に有効であり,有機入り一発型肥料を利用すると後期溶出型の肥効パターンを再現可能と考えられた。
カテゴリ 肥料 施肥 肥培管理 良食味

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる