摘要 |
目的:遺伝資源の中には、実生系や栄養系での維持・増殖が困難で病害等による消失が懸念されるものもあることから、培養手法を活用した増殖技術や長期保存技術を開発する。、成果: (1)アスパラガスの側芽培養において、鱗芽・貯蔵根を形成し易い生育旺盛な発根個体を育成するための培養条 件を明らかにした。また、発根した培養シュートを1~2ヶ月毎に継代培養することで、茎と根の通導組織がつながっ た鱗芽群および貯蔵根を形成したアスパラガス原種苗を効率よく生産することができた。鱗芽群および貯蔵根の形 成しにくい系統では、培地に酸化防止剤ポリビニルピロリドンを添加することで、鱗芽群および貯蔵根の形成率が向 上した。これまでの成果をとりまとめ、普及に移しうる成果(科学技術情報)「組織培養によるアスパラガス新品種の 原種苗増殖体系」として公表した。(2)リンドウ育成品種の交配母本7系統について、15℃、2,000lux、18時間日長条 件で培養することで越冬芽が形成されることを確認した。また、これまでほとんど越冬芽形成が認められなかった1 系統については、12か月以上の長期間培養することで越冬芽を形成することが明らかとなった。(3)3品種を供試し たカラ-の培養容器内での小球根形成率は90%以上と高かったが球根はすべて1g未満と小さかった。(4)アスパラ ガス培養シュートは5℃で培養することで1年程度継代することなく培養容器内で保存でき、保存後も正常シュート の再分化率が高いことが確認できた。また、リンドウ越冬芽の培養容器内保存は、ショ糖3~9%添加した培地で、5 ℃から15℃の温度条件において、1年程度の保存が可能であった。、
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