課題名 |
難防除病害虫防除技術の確立 |
研究機関名 |
福島県農業総合センター
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研究分担 |
生産環境部
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研究期間 |
継H18~H22 |
年度 |
2009 |
摘要 |
目的:新規発生および難防除病害虫の発生生態等の解明を行い、防除技術を確立する。、成果:(1)病害虫の診断同定、(1)2009年の依頼件数は、188件(前年比86%)であった。本年の特徴として、会津地方で初めてトマト黄化葉巻病の発生が確認された。昨年同様、トマト青枯病、キュウリホモプシス根腐病、イチゴ萎黄病、イチゴ炭疽病、キク半身萎凋病などの土壌病害が多かった。、(2)トマトの斑点細菌病、ヤユキヤナギのサビダニ類などの新奇な病害虫の発生も確認された。、(2)水稲・畑作物における難防除害虫の防除技術の開発、(1)斑点米被害を引き起こす重要種クモヘリカメムシの生存率が5℃定温区に比べて、-1℃/10℃の変温条件下が高く、本種の分布域が最低気温や平均気温ではなく最高気温との関係か高いことが示唆された。、(2)ダイズ害虫であるウコンノメイガの発生予察調査に性フェロモントラップの有効性を確認しているが、本年もダイズでの性フェロモントラップの方が叩き出し法よりも早く成虫の飛来を確認することができ、個体数も多い傾向が認められた。、(3)アカソ群落における性フェロモントラップ調査では、7月上中旬と9月上旬~11月上旬に成虫が誘殺された。第一世代の誘殺ピークは、叩き出し調査でのピークよりも遅れる傾向が認められた。、(4)ウコンノメイガ幼虫の寄生蜂による寄生率は、アカソ群落での越冬世代で高く、ダイズほ場での第一世代では低い傾向がみられた。確認された寄生蜂は4種のコマユバチで、その中で、メイガヒゲナガコマユバチが主であった。、(3)野菜病害虫防除試験、(1)キュウリホモプシス根腐病の病原菌の残存期間を継続調査し、キュウリ作付けを中止した5年後においても、ほ場での本病原菌の残存が確認された。水稲を作付けすることで、徐々に発病度が低下することを確認した。、(2)ピーマン炭疽病の果実被害が問題となっており、防除薬剤の検討を行った。その結果、ダコニール1000、ストロビーフロアブルの効果が高く、アミスターオプティフロアブル、アミスター20フロアブル、カンタスドライフロアブルで防除効果が認められた。供試薬剤のうち、ダコニール1000とアミスターオプティフロアブルについては2009年にピーマン炭疽病の適用拡大が行われた。、(3)ネギの葉枯れ症の原因を調査した結果、土壌の種類による明確な差が認められず、有機質肥料区で発生が少ない傾向が認められた。本症状から高率で葉枯病菌の存在が認められるものの、有効な薬剤が使用されている現地ほ場でも発生がみられており、施肥体系か生理的要因が影響していると考えられる。、(4)オンシツコナジラミに対する微生物農薬のマイコタール、ゴッツA及びボタニガードESの防除効果を明らかにしてきたが、気門封鎖型のエコピタ液剤及び粘着くん液剤の有効性を確認した。さらに微生物防除に気門封鎖剤を加用することでオンシツコナジラミへの効果が高まった。、(4)花き病害虫防除試験、(1)リンドウのこぶ症の原因究明を引き続き実施し、本年度はウイルスが起因しているか(財)岩手生物工学研究センターと連携し、調査した。その結果、こぶ症を発生した「ふくしまかれん」と「ふくしまさやか」から疑われる関連ウイルス(GKaV)が検出された。現段階で主要因かどうか不明である。、(2)花き類を加害するヒラズハナアザミウマに対し、各種殺虫剤の防除効果を検討したところ、コテツフロアブルとスピノエース顆粒水和剤の防除効果が高かったが、ハチハチフロアブル、バリアード顆粒水和剤、モスピラン水溶剤の効果は低く、防除に苦慮している実態が明らかとなった。
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