摘要 |
島しょ地域の特産物(アシタバ,パッションフルーツ,菊池レモン)は,生鮮食品以外にも様々な製品に加工されている。そこで,特長ある風味に富んだ食品の開発に活かすとともに,その利用拡大を図る。(1)アシタバは葉に対して0.5%重曹溶液を用いたブランチング,0.1%ペクチン分解酵素処理することにより,細胞内成分の漏出が少なく,色調変化が小さいアシタバペーストを調製可能なことが明らかとなった。酵素処理ペーストは酵素無処理ペーストに比べて滑らかで,粒度分布を調べたところ,74 μm以下が全体の重量の約4割を占めていた。この酵素処理,無処理のペーストを用いたアイスクリームの官能検査を行ったところ,酵素処理の外観,舌触りにおいて有意に良い結果となった。(2)パッションフルーツの加熱による香りの変化を匂い嗅ぎ装置付きGCで測定したところ,全ピークエリアの合計と多くの成分は加熱条件が厳しくなるほど減少する傾向にあったが,一部の成分においては加熱により増加した。(3)菊池レモンの糖組成はブドウ糖,果糖がほぼ同量でショ糖が少なく,レモン,ライムと同様の傾向を示した。有機酸組成は大部分がクエン酸であった。、
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