課題名 | 2,環境要因が色素の含量、組成に及ぼす影響の把握、 |
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研究機関名 |
山梨県果樹試験場 |
研究分担 |
生食ブドウ栽培科 |
研究期間 | 継(H19)~(H22) |
年度 | 2009 |
摘要 | ア 温度が着色に及ぼす影響の把握、 着色期の果房を人為的に冷却または加温し、果房周辺部の温度が着色に及ぼす影響を調査した。冷却区では、夜間12時間程度を外温より約7℃低く、加温区では約7℃高い条件で処理した。すべての供試品種において加温区で着色が阻害されたが、その程度は品種により異なった。「ピオーネ」では、冷却区においてアントシアニン含量が若干増加する傾向があるが、収穫時期に十分な着色を得ることはできなかった。「ゴルビー」では、温度環境以上に糖度蓄積が着色に強い影響を与えている可能性がある。これに対し「赤嶺」は温度に対する反応性が高いと考えられ、加温中は着色が停滞し、冷却により十分な着色の果実が得られた。温度に感受性の高い時期を調査したところ、着色始めから2週間と、その後2週間では、どちらの時期も同様な反応を示した。色素組成は冷却処理によってデルフィニジン系色素の割合が増加した。、イ 果実における糖蓄積が着色に及ぼす影響の把握、収穫期における糖度と着色程度の関係について分析したところ、肉眼の評価(カラーチャート値)と糖度の関係は品種により異なった。「ゴルビー」などの赤色系品種では糖度との相関が非常に高く、「ブラックビート」や「ベーリーA」などの着色が優れる品種では、相関が低かった。しかし、これらの品種でも目視では判別ができないが、低糖度化によりアントシアニン含量は減少しているので、ブドウの着色において糖度蓄積は大きな影響を与えるといえる。元来アントシアニン含量が低い品種では、わずかな糖度低下によっても着色不良が引き起こされることがあるので、留意が必要となる。 |
カテゴリ | カラー 品種 ぶどう |