課題名 |
リン酸蓄積圃場の障害回避及び適正施肥技術1.施設キュウリ圃場でのリン酸基準値の検討、(1)土壌中のリン酸適正値の把握、(2)植物体中のリン酸適正値の把握、2.窒素・加里単肥を用いたキュウリ養液土耕栽培の確立、(1)単肥を用いた養液土耕栽培の適合性の検討、(2)窒素・加里比率の検討、(3)肥料コストの検討、3.現地キュウリ圃場での単肥養液土耕適合性の検討、、 |
研究機関名 |
長野県南信農業試験場
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研究分担 |
栽培部
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研究期間 |
完H19、~21、 |
年度 |
2009 |
摘要 |
目的:施設野菜では、リン酸成分が圃場に集積し可給態リン酸の過剰による微量要素欠乏や生理障害の誘発などが懸念されている。可給態リン酸が多いキュウリに対し、土壌及び植物体の簡易なリン酸診断法を確立する。また、窒素および加里成分を単肥混合する低コストな養液土耕栽培技術を確立する。土壌中のリン酸蓄積量の異なる圃場において、キュウリの収量、品質および植物体リン酸濃度を比較して適正水準を把握する。また、簡易に植物体のリン酸欠乏値を診断する方法を確立する。、成果:土壌中の可給態リン酸濃度を水浸出法とトルオーグ法で比較した結果、水浸出リン酸10mg/100gはトルオーグリン酸100mg前後に相当し、水浸出による簡易判定が可能であった。下伊那地域の夏秋どり(雨よけ、露地)作型の現地圃場の調査から、小型反射式光度計で測定した第14~16節葉の葉柄搾汁液中のリン濃度が230ppmを超える圃場の中には、葉身に白斑症状が発生する場合があり、収量が低下する危険性が高まることが明らかとなった。リン酸を過剰施用したほ場において、窒素・加里単肥区と対照の養液土耕専用肥料区の比較をした結果、前年同様、果実収量・品質に差は認められなかった。リン酸と加里が過剰な圃場で、窒素と加里を単肥を用いて養液土耕栽培を継続したところ、加里が養液土耕専用肥料区の半分でも収量・品質は前年までと同様に同等と判断された。加里の吸収量も差はなかった。窒素と加里を単肥で専用肥料と同量の液肥組成で養液土耕栽培を行うと、肥料コストは専用肥料の44%となり、加里を半量にすると28%とさらに低下した。トルオーグリン酸が500mg前後の灰色低地土の下条村ほ場においては、窒素・加里単肥を用いた養液土耕栽培区は対照の専用肥料区に比べ、葉の白斑症状の発生が少なく、収量が多かった。また、トルオーグリン酸が200mg前後の褐色森林土の高森町ほ場においては、窒素・加里単肥を用いた養液土耕栽培区と対照の専用肥料区の収量は同等であった。、、
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カテゴリ |
肥料
きゅうり
コスト
栽培技術
生理障害
施肥
低コスト
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