課題名 |
米の有効利活用を図るための技術開発 |
研究機関名 |
滋賀県農業技術振興センター
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研究分担 |
栽培研究部・作物・加工担当
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研究期間 |
完H17~21 |
年度 |
2009 |
摘要 |
目的:米粉パン冷凍生地の解凍方法およびデンプンの老化抑制などに効果がある糖類の一種である「トレハロース」の添加について調査を行う。また、米の品種の違いによる米粉特性および製パン性について、衝撃粉砕方式より細かく製粉できる気流粉砕方式の米粉パンとの比較を行う。、成果:発酵器を利用した冷凍生地の解凍方法の違いによる製パン性への影響および梨肌の発生程度を調査したところ、解凍温度は「40℃」、加湿「なし」条件がパンの高さ、体積、比容積および官能評価の点から最も適していた。また、解凍後に再び成形操作を行うことによって、梨肌の発生を抑制できることが明らかとなった。「トレハロース」の添加による製パン性への影響を調査したところ、冷凍生地製パンでは製パン性が低下するが、非冷凍生地ではパンの高さや比容積が大きくなり、パンの硬化が抑制された。品種の違いによる製パンへの影響を明らかにするために、県育成品種および多収米等の米粉特性を調査したところ、衝撃粉砕方式の米粉でも品種により粒度分布に違いがみられ、粒度分布が類似している米粉では、デンプン損傷度の高いものの方が吸水しやすかった。飼料米品種である「ホシアオバ」および「クサノホシ」は、米粒が崩れやすいため粒度分布が細かく、デンプン損傷度が低い米粉に製粉できることが明らかとなった。また、その製パン性は、米の品種により加水量や発酵時間などを調整する必要があった。また、生食に向かない「ホシアオバ」および「クサノホシ」でも、製粉後、パンに加工することで十分利用可能であると考えられた。現在主流となっている気流粉砕方式の米粉との製パン性の違いを調査したところ、衝撃粉砕方式は気流粉砕方式より、「食パン」の高さおよび比容積(膨らみ具合)が低かったが、官能評価においては、「食パン」では同程度の評価、「あんパン」では、米粉パンの特徴である「もちもち感」や「しっとり感」が強く高評価であった。
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カテゴリ |
加工
多収米
品種
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