課題名 |
モモ・ブドウの高品質果実安定生産のための施肥改善対策 |
研究機関名 |
岡山県農業総合センター農業試験場
|
研究分担 |
化学研
|
研究期間 |
継(H19~23年度) |
年度 |
2009 |
摘要 |
「目的」モモ・ブドウの食味は肥培管理方法と密接な関係がある。そこで、食味向上と樹勢強化を目的として現地調査と施肥改善試験を実施し、肥培管理方法の改善対策を策定する。、「成果」非破壊糖度計の導入後、1産地全体で品質向上が認められた。栽培環境要因と果実糖度との関連を解析すると、葉果比が低いと糖度が低い傾向にあり、適正な葉果比の維持が重要であった。「マスカット」早期加温樹におけるカリウム欠乏の樹では、葉柄中のカリウムイオン濃度が低く、葉柄中のカリウムイオン濃度が低いほど葉身中のカリウム含有率も低いことから、葉柄による診断が可能と判断された。採取する葉柄は、健全樹と欠乏樹間でカリウムイオン濃度に明確な差が現れる新梢基部の3~5節が適した。採取した葉柄を細断し、脱塩水を加えta後に浸出液のカリウムイオン濃度を測定する方法は、カリウム欠乏の診断は可能であった。カリウム欠乏再現試験の結果から、開花期の葉柄カリウムイオン濃度が1,000ppm以下は明らかな欠乏、2,000ppm以下は注意が必要と判断された。同様に、果粒軟化期以降は500ppm以下が欠乏、1,000ppm以下が要注意と判断された。ポット栽培試験結果から、カリウム欠乏が発生した場合、カリウム成分で4~8g/m2の追肥が必要と推察された。「ピオーネ」の葉で発生するマグネシウム欠乏症の改善と樹勢や果実品質の関連性をマグネシウム欠乏が顕著な1樹を含む樹勢が異なる3樹に、硫酸マグネシウム水溶液を果粒着色期に2回葉面散布した。その結果、マグネシウム欠乏症が比較的早い時期に発生した樹では葉面散布により葉色の低下が抑制された。一方、果実の糖含量や酸含量に顕著な違いはみられなかったが、散布した枝の果実の方が食味良好と判断された。樹勢が強い圃場に抑草シートマルチを導入すると、土壌中の窒素やカリウムが減少し、果実糖度の向上を図ることができる。しかし、継続すると次第に樹体養分が低下するため、樹勢が低下した場合には、施肥量を増やすか、稲わらマルチに戻した方がよい。
|
カテゴリ |
施肥
肥培管理
ぶどう
もも
良食味
|