| 課題名 | 低コスト育林技術の開発 |
|---|---|
| 研究機関名 |
高知県立森林技術センター |
| 研究分担 |
森 林 経営課 |
| 研究期間 | 継H21~25 |
| 年度 | 2009 |
| 摘要 | 目的:「育苗~下刈り」の経費の低減と造林木の形質についての評価と総コスト評価及びシカ被害防除の実証を行う。、成果:(1)植栽本数を1,500本/ha、3,000本/ha、使用苗木を普通苗、中苗、大苗に区分した植栽試験地において、植え直し等のトラブル時間や枝条処理等の附帯作業を除外した苗木1本当たりの植栽時間を算出し、1ha当たりの植栽人工数に換算した結果、普通苗と中苗において1,500本/haの人工数は3,000本/haの56%、57%で、植栽本数が半分になっても苗木の間隔が広がるため人工数は半分にならなかった。1,500本/haの植栽密度で普通苗、中苗、大苗の植栽人工数を比較すると、普通苗3.3人工、中苗3.5人工、大苗4.3人工と苗木が大きくなるほど人工数は増加した。(2)植栽地までの苗木の運搬を木材搬出用の架線を利用した事業地における、作業日誌から算出した人工数と苗木運搬を人力で行った場合の推定値の比較を行った結果、架線を利用して苗木運搬を行った場合の植栽人工数は9.0人/haと苗木を人力で運搬した場合の60%程度と推定され、木材搬出時に架線を利用して苗木を運搬し植栽することは育林コストの低減化に有効である推察される。(3)電気牧柵区、ネット柵区、クワンタイ区及び対照区の4つの試験区を設定し、ヒノキ1年生苗木へのニホンジカ食害防除効果について試験を行った。電気牧柵(電牧線4段張り(取付高25cm、50cm、90cm、140cm程度))およびネット柵区ではシカ害が確認されなかった。クワンタイ区では55日目に1本のみシカ害が確認されたが、これはクワンタイが風の影響で取付部分から外れていたためで、仕様書に従って丁寧に設置することで回避できるものと推測される。電流に対する心理的効果を狙った電気牧柵(心理柵)は電牧線の取付高や段数等によっては必ずしもシカ害を回避することができない場合もあるが、物理的にシカ等の被害を防ぐネット柵(物理柵)やクワンタイと同等のニホンジカ被害防除効果を有するものと推察される。 |
| カテゴリ | 育苗 コスト シカ 低コスト 防除 |