課題名 |
(5)熱帯・亜熱帯島嶼における持続的作物生産のための環境管理技術の開発 |
課題番号 |
2010015013 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター
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研究分担 |
(独)国際農林水産業研究センター,熱帯・島嶼研究拠点
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協力分担関係 |
フィリピン土壌・水管理局
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研究期間 |
2006-2010 |
年度 |
2010 |
摘要 |
・ 前作のマメ科カバークロップをマルチとした不耕起栽培による土壌侵食の軽減効果は、フィリピンのピジョンピーを前作したトウモロコシ不耕起栽培でも同様に得られた。・ 石垣島轟川流域にDNDCモデルを適用し、作物体の土壌面被覆度が異なる条件における降水量と浸透水量との関係を求めた。浸透水量とその窒素濃度との関係、耕盤、耕起の有無による浸透速度と浸透水の窒素濃度との関係、化学肥料と有機質肥料の施肥における土壌残存窒素量と溶脱窒素量との関係から、異なる技術の組合せが土壌侵食と窒素溶脱に及ぼす影響を評価するシステムを確立した。・ DNDCモデルで浸透水量を推定し、これと地形を反映させたタンクモデルを組合せ、石垣島轟川流域の硝酸態窒素による地下水汚染評価モデルを開発した。異なる大きさの降雨イベントにおける河川水中の経地下水の割合を同位体比から求めた。これを利用して、地下水汚染評価モデルを河川水汚染評価モデルに展開できた。土砂とリンによる河川水汚染は河川水汚染評価モデルと別にGeoWEPPで評価した。マングローブ生態系による窒素、リンの浄化機能を上記モデルに取り入れた。開発したモデルを利用して、仮想した土地利用の変化、マングローブ生態系の有無等による窒素、リン汚染の変化を推定できた。・ ネグロス島のサトウキビ生産地帯で、硝酸による深刻な地下水汚染は、施肥量が過剰なことが一因とみられた。・ 水位・水質調査において、一部のモニタリング用井戸において塩淡境界の部分的上昇が観測され、一旦塩水化した淡水レンズが自然の涵養では復元しないことを確認した。・ モニタリング用井戸等における水位・水質観測を継続的に行い、電磁探査、及び電気探査等の物理探査を8測線で実施することによって、淡水レンズの塩淡境界を把握し、貯留量の概算が推定できた。・ ヤシの葉マルチによって土壌水分含量が高まる傾向が認められ、また、細断ハスクや炭化ハスクとの併用によって、その傾向が一層顕著になった。さらに、トマトの草丈計測の結果から、(1)マルチによってトマト苗の生長が促進されること、(2)マルチ+炭化ハスクの土壌施用の複合処理によってトマト苗の生長が一層促進されること等が示唆された。・ マーシャル諸島共和国の連携・協力機関とセミナーを開催し、調査結果の情報共有や意見交換を実施し、連携・協力関係を強化した。
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カテゴリ |
土づくり
肥料
亜熱帯
管理技術
さとうきび
施肥
とうもろこし
トマト
不耕起栽培
モニタリング
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