i.野菜におけるDNAマーカー整備及び遺伝子機能解明と利用技術の開発

課題名 i.野菜におけるDNAマーカー整備及び遺伝子機能解明と利用技術の開発
課題番号 2010014891
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,野茶研,野菜ゲノム研究チーム
協力分担関係 京都産業大学
宮崎県
東京大学
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 なす科作物の重要形質に関与するDNAマーカーの開発に関しては、1)なす単為結果性遺伝子の選抜マーカーについて、これまでに見出された3つのQTL領域のうちもっとも効果の大きい領域を挟む1対のSSRマーカーを開発した。また、共通マーカーを利用したトマトとの比較解析により単為結果性遺伝子座近傍の遺伝子配列がなすとトマトとの間で高く保存されていることを明らかにし、新たにこの領域に座乗する15個のマーカーを開発した。2)なす果実肥大のトリガー遺伝子候補の単離では、単為結果性に関する3つのQTL(A, B, C)を単独に持つ準同質遺伝子系統を用いた詳細な解析により、異所的発現によって単為結果を誘導するCYP78Aファミリーホモログおよび胚珠形成に関与するHD-ZIP型転写因子ATHB40ホモログがなす果実の着果・肥大に先行して誘導されることを見いだした。また、花器官形成に関与するAFOホモログはQTL-Aを、また、心皮形成に関与するCRCホモログはQTL-Bをそれぞれもつ系統でのみ誘導されることを明らかにした。これらの遺伝子の座乗位置はいずれも3つのQTLとは異なるが、結実肥大過程での発現特異性およびモデル植物(シロイヌナズナ)において確認された機能情報に基づき、ナス果実肥大の初期段階でQTL-AおよびBの制御を受けて機能するトリガー遺伝子候補と結論した。これらの遺伝子は全てEST大量解読の過程で単離している。はくさい、にらの重要形質に関与するDNAマーカーの開発に関しては、1)はくさい根こぶ病の抵抗性について、単離したCrr2の候補遺伝子は病害抵抗性遺伝子に特徴的なロイシンリッチリピート配列を有さなかった。またCrr1とCrr2を有する系統をF1品種の両親系統と交配した後、戻し交配とマーカー選抜により根こぶ病遺伝子を保有する系統を選抜し、それらを両親とする強度抵抗性F1品種「ハクサイ安日交1号」を育成した。2)にらのアポミクシス性は、前減数分裂期における染色体倍加に起因する「複相大胞子(2n胚のう)形成」と受精を必要とせずに卵細胞から胚を発生する「単為発生」の2形質から構成される。異数性集団(BC1)を用いたバルク解析により、複相大胞子形成遺伝子座および単為発生遺伝子座近傍領域の連鎖地図を詳細化した。また、連鎖マーカーを正二倍体・高二倍体集団(BC2)に適用し、マーカー遺伝子型から両遺伝子と劣性有害遺伝子との連鎖が打破されたアポミクシス性個体候補を選抜した。ビッグベイン病抵抗性組換えレタスに関しては、1)選抜マーカーを含まず、導入遺伝子が1コピーの固定系統を6系統選抜し、世代更新を行い、導入遺伝子が分離しないことをPCRで確認した。2)閉鎖系温室における抵抗性検定の結果、従来品種は病徴の発現やウイルスが検出されたが、組換え6系統はいずれも病徴の発現とウイルスの検出はなく、高い抵抗性を保有している可能性が示唆された。形態形成と植物ホルモン類の動態との関係解明に関しては、1)なすの着果や果実肥大に伴う植物ホルモン変動について、着果率の上昇にはABA代謝酵素遺伝子発現の上昇に伴うABA量の低下が、肥大の促進にはIAA量の上昇が関係することを明らかにした。
カテゴリ 単為結果 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性検定 トマト なす にら はくさい 病害抵抗性 品種 レタス

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