(3)昆虫の生体防御機構の解明と利用技術の開発

課題名 (3)昆虫の生体防御機構の解明と利用技術の開発
課題番号 2010014981
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,生体防御研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,生体防御研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,生体防御研究ユニット
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 1.機能未知のタンパク質の立体構造からの機能解明 オリクチンはタイワンカブトムシの体液タンパク質であり、既知のタンパク質とアミノ酸配列の相同性が全くなく、機能未知であった。このため、立体構造の類似性から機能を解明することを試みた。オリクチンの立体構造をNMRにより解析し、立体構造データベースで検索したところ、kazalタイプのプロテアーゼインヒビターであるOMTKY3と類似性を示すことが明らかになった。オリクチンのプロテアーゼ阻害活性を測定したところ、αキモトリプシン、サチライシン等を強く阻害し、実際にプロテアーゼインヒビターであることが確認された。このようにアミノ酸配列の相同性が全くなくても、立体構造の類似性から機能を推定できることを示した。また、微生物由来のプロテアーゼであるサチライシンを強く阻害することから、侵入した微生物に対する生体防御反応を担っていることが示唆された。2.カイコにおける新規細菌応答遺伝子の解析 細菌感染に対するカイコの新規免疫機構を明らかにするために、今までに報告されていない新規細菌応答遺伝子の単離・同定を試みた。マイクロアレイ法でこうした遺伝子の候補を網羅的にスクリーニング後、最終的に定量RT-PCR法を用いて細菌処理後に発現が変動する遺伝子を3種類(eIF4E-1、BmFOXG1、 MBF2-R)同定した。そのうち翻訳開始因子であると推定されるeIF4E-1はeIF4Eと高い相同性を持つが、eIF4Eは細菌処理による発現変動がみられないことから、eIF4E-1は免疫反応に関わる翻訳開始因子であると予想された。また、BmFOXG1とMBF2-Rはいずれも転写制御因子であると推定され、免疫関与遺伝子の転写制御に関わることが予想された。3.リボフラビンの抗トリパノソーマ活性 カイコより抗トリパノソーマ活性物質として単離されたリボフラビンをトリパノソーマ(Trypanosoma brucei brucei GUTat3.1)感染マウスに静脈注射したところ、全く効果を示さなかった。しかし経口投与したところ、100 mg/kg投与群では5日目に血中から原虫が消失し、50 mg/kg投与群でも5日後には原虫数が大幅に減少した。このことから、リボフラビンがトリパノソーマに対して効果を示すには、直接血中に導入されるのではなく、何らかの代謝を受けねばならないことが示唆された。
カテゴリ カイコ データベース

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