課題名 |
戸別所得補償制度等が地域農業に与える影響等の分析 |
課題番号 |
2010014823 |
研究機関名 |
農林水産政策研究所
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研究分担 |
農林水産政策研究所
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研究期間 |
2010-2010 |
年度 |
2010 |
摘要 |
〈研究の概要〉1)地域類型毎に戸別所得補償モデル対策が地域農業に与える影響(生産調整への参加動向、 農地の利用集積、コスト縮減や経営の多角化等)を分析。2)戸別所得補償制度を中心とした諸施策が地域農業や農村に与える影響についての中長期 的な視点からの分析・検証(共同勉強会)。3)EU共通農業政策と米国農業政策における価格・所得補償政策等について分析。〈成果の概要〉 農業構造に関する統計分析結果と集落営農組織や大規模個別経営についての現地調査結果を重ね合わせることによって、近年の農業構造変化の特徴とその地域性を解明。統計分析からは、水田農業をめぐる構造が地域性を伴って2005-10年間にこれまでになく変化していることを把握(これまで主に個別農家が農地の引き受け手であった県で、集落営農の組織化が急進し、農地を集積)。 現地調査結果からは、次の点を解明。1)集落営農組織と大規模個別経営が棲み分け、規模拡大のための農地が不足している地域もあれば、中山間地域等で農地の引き受け手が不足している地域もあり、今後の地域農業の構造変化や必要な支援策が相違、2)農地の引き受け手がいない地域では、今後、農地の引き受け手を幅広く捉えて、地域農業の「担い手」の確保に努める必要、3)気候や生産体系が類似する隣接県でも、集落営農組織の内実や課題に相違があり、それを踏まえて支援を行っていく必要。 さらに、EU、米国のこれまでの農業政策と価格・所得補償政策により補償された額と生産費との比率についてデータ整理を行うとともに、EU共通農業政策が農業構造調整に及ぼした影響について分析し、次の点等を解明。1)EUは、1993年に導入した直接支払いに、支持価格を加えた収入支持水準を、今日まで1991年の名目値に概ね固定していたこと。2)EU農業構造は、1993年以降の収入支持水準固定(実質値で漸減)を境に、農家・非農家の相対所得格差が更に拡大されたこともあり、離農、規模拡大が若干促進されていたこと。〈成果の活用〉 本研究で得れらた情報は、逐次行政部局に提供し、モデル対策の地域農業等への効果の検証に活用されるとともに、H23年度から本格実施される戸別所得補償制度の検討に活用。今後、土地利用型農業における、地域の担い手確保政策の実施に活用。特に、集落営農による農地集積、農業生産や加工・販売への取り組み、今後の意向等を、組織の経営規模や設立経過等によって類型化した分析は、地域農業の特徴を活かしたきめ細かな政策を求められる中で有効な情報として活用。欧米価格所得政策の分析は、戸別所得補償制度の検討にあたっての基礎資料になるとともに、国会からの欧米農業政策に関する照会に対応するための基礎資料として広く活用。また、国家戦略室幹部に説明する資料等としても活用。
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カテゴリ |
加工
規模拡大
経営管理
コスト
水田
中山間地域
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