課題名 | 畜産由来メタンガスの革新的削減をもたらす天然飼料添加物の開発 |
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課題番号 | 2010015439 |
研究機関名 |
(国)北海道大学 出光興産(株) (国)山形大学 (独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所 |
研究期間 | 2008-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | (1)当初開発したカシューナッツ殻油のシリカ製剤はウシの嗜好性が低いことが判明したため、シリカに加え糖蜜ほかの材料を混和したペレットを作成したところ、嗜好性は大きく改善された。本改良製剤における殻油効果は安定であり、40℃、2ヶ月放置でも大きな問題がないことを確認した。基本的に殻油製剤は最終型に近いものが開発できたと考え、野外肥育試験(中課題3)にもこの製剤を使用し、長期保存使用の実績ができた。(2)酵母界面活性剤あるいはカシューナッツ殻油給与牛のメタン低減は、5または38%の低減となり殻油がはるかに効果的だった。ただし消化率の低下もみられたため、最適添加量や馴致について検討したところ、体重100kgあたり4g相当で殻油改良製剤を4週程度与えると、消化阻害無く20%程度のメタン低減が可能なことがわかった。同時にルーメン内プロピオン酸、同酸生成菌の増加が認められ、これによる水素処理の増強がメタン低減の主要因と判断できた。製剤を給与したウシでの嗜好性、血液成分、剖検では何ら異常はなく、長期給与のマウスでも同様であったことから、製剤給与の障害はないと考えられた。(3)。21年度は委託牧場に42頭のホルスタイン雄肥育素牛を導入、1ヶ月の馴致後、11月下旬より14頭ずつの3群にわけ、各々空製剤(対照)、カシューナッツ殻油製剤またはモネンシンを添加した飼料を給与した。22年度にまたがって約13ヶ月間肥育し、隔月で体重測定とルーメン液および血液採取を行い、増体成績とルーメン発酵ならびに健康の指標となる一般血液成分について評価することで、カシューナッツ殻油製剤に対する肥育牛の反応を総合的に評価するとともに、より適切な給与方法などの提示に向け課題を洗い出した。 |
カテゴリ | ナッツ 肉牛 |