課題名 | 未利用みかん果皮の抗認知症成分活用技術と高付加価値品種の開発 |
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課題番号 | 2010015444 |
研究機関名 |
静岡県公立大学法人 (株)鈴与総合研究所 サンケミファ(株) はごろもフーズ(株) 静岡県経済農業協同組合連合会 静岡県農林技術研究所果樹研究センター (有)カンズ研究開発 (独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所 ジャパンローヤルゼリー(株) (国)東北大学大学院工学研究科 (国)東北大学大学院薬学研究科 |
研究期間 | 2008-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | (1)ノビレチンの実用化に於いて体内動態の精査は必須である.そこで本課題では (1) UPLC-MS による高感度分析法開発,(2) PET 解析法の確立,(3) ノビレチンの体内動態制御方法開発を計画し,目的達成のため戦略的に研究開発を遂行してきた.その結果,UPLC-MS ならびに PET 解析法によるノビレチンあるいはその代謝物の中枢移行性を検証し,さらに経口吸収性を著しく高めた新規製剤の獲得に世界ではじめて成功した.(2)カンキツ品種・系統のノビレチンおよびポリメトキシフラボノイドの含量を評価し、高含有品種・系統として‘太田ポンカン’、‘タチバナ’などを選抜した。果皮ノビレチン濃度は成熟とともに減?するため、8?10月収穫が望ましく、無農薬で、全摘果を行えば省力・低コスト栽培が可能である。静岡県の主要カンキツである‘青島ウンシュウ’の場合、8月下旬粗摘果での収穫である。(3)25 mg/kgのノビレチン相当量の農林6号の果皮抽出エキスをddYマウスに1週間経口投与することにより、MK801誘発性の記憶障害を改善させた。また、農林6号の果皮抽出エキスは、培養海馬神経細胞においてカリフォルニア・オレンジの果皮抽出エキスよりも強いCRE依存的転写促進活性を示すことを見出した。すなわち、国産の農林6号は抗認知症活性を有し、外国産柑橘類のカリフォルニア・オレンジより優れている品種であることが明らかとなった。(4)研究機関内の小課題の連携の結果,溶解度パラメータに基づく膨張液体中のノビレチンの濃縮法が確立し,動的抽出シミュレーションの適用性・拡張性が評価された.担当間の連携に基づく膨張液体抽出物の薬理活性評価,動物試験などは想定を上回る成果であった.(5)国内ではいまだ生食向け等に相当量のミカンを生産しており、その過程で発生する摘果果実などを有効に利用するひとつの方法として、ノビレチン含有を差別化要素にした新製品開発の可能性を考察し、利用の可能性を見出すことが出来た。ノビレチン含量の高いポンカンは静岡県産主力品種であり、これを利用した商材(ペースト化・フリーズドライ化)は、今後の商品開発には利用価値が高いと思われる。 |
カテゴリ | 病害虫 馬 高付加価値 低コスト栽培 農薬 品種 ぽんかん その他のかんきつ |