転換畑連作ダイズの収量低下防止・回復技術の実用化

課題名 転換畑連作ダイズの収量低下防止・回復技術の実用化
課題番号 2010015556
研究機関名 京都府農林水産技術センター
(株)丸文製作所
セントラル硝子(株)
(国)東京農工大学
(独)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター
研究期間 2009-2011
年度 2010
摘要 (1)ダイズ連作圃場において、CA31株製剤(2-(2)参照)のセル苗施用により地上部重と子実100粒重が増加した。ポット試験により、Agrobacterium属細菌接種がダイズ根粒の窒素固定活性を阻害する現象を確認した。また、選択培地によりAgrobacterium属近縁細菌が選択的に計測できること、及びAgrobacterium属細菌とダイズ根粒菌を区別するDNAマーカーが設定できる可能性が示された。(2)府内2か所の黒ダイズ連作圃場で、改良型散湯機、自走式蒸気消毒機による土壌消毒と微生物接種を行って収量回復効果を検討するとともに、同圃場で採取した根粒から根粒菌及び非共生土壌細菌を分離し、分離菌株間の系統関係を明らかにした。また、新たに見出したCA31株の増収効果を確認し、同菌株の土壌処理用試作製剤の施用法を確定した。熱水消毒後の3か月経過した際の生育・根粒着生回復効果の持続性をポット試験により確認した。(3)黒ダイズの共感染は何らかの化学物質が土壌に集積し、その濃度が高くなると増加することが分かった。また、Ds-Red標識根粒菌とGFP標識非共生土壌細菌を用いた共感染試験で、根粒菌が感染した根毛や根粒の連続切片のレーザー顕微鏡等による観察から、非共生土壌細菌は根毛から細胞内に侵入するのではなく、根と根粒が接している組織間隙から根粒基部維管束組織に侵入し、根粒の導管中で増殖し、根粒の老化に伴い根粒全体に感染拡大することが推定された。(4)当初供試予定のCA21株より効果の高いArthrobacter oxydans CA31株について、CA21株で確定している水和剤型製剤の処方をもとに製剤化の検討を行なったところ、ほぼ同様の処方で製剤化(水和剤)が可能であった。土壌混和が容易な剤型(微粒剤)として試作した2種類のCA21株製剤とCA31株製剤を試作し提供した。土壌に施用した場合、土壌中の生菌数の減衰程度は製剤の種類による差はほとんど見られなかった。(5)散湯機後方の放熱を押さえるため被覆資材の長さを伸ばす改良を加えた。また、自走式蒸気消毒機では、熱湯に近い性状をもった飽和蒸気が放出できるようにボイラー性能と放熱部分の保温性を改良した。両改良型消毒機を供試し、灰色低地土、黒ボク土、砂壌土の圃場で、散湯機の散湯量、あるいは自走式蒸気消毒機の自走速度の違いによる土壌昇温効果の違いを明らかにした。また、京都府内の黒ダイズ現地圃場で両機による土壌消毒の収量回復効果を実証した。
カテゴリ 大豆 DNAマーカー 土壌消毒 土壌処理

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