課題名 | 畜産由来メタンガスの革新的削減をもたらす天然飼料添加物の開発 |
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課題番号 | 2009014154 |
研究機関名 |
(国)北海道大学(大学院農学研究院) (独)農業・食品産業技術総合研究機構(畜産草地研究所) (独)農業・食品産業技術総合研究機構(北海道農業研究センター) 出光興産(株) |
研究期間 | 2008-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | (1)酵母抽出物の大量確保・精製を検討していた一方で、別の中課題で実施したウシメタン低減効果が酵母界面活性物質よりもカシューナッツ殻油で圧倒的にまさっていることが判明した。そこで研究対象をカシューナッツ殻油のみにしぼって、製剤化検討を実施することにした。前年度開発したシリカペレット製剤はウシの嗜好性が低いことが判明したため、シリカに加え糖蜜ほかの材料を混和したペレットを作成し、嗜好性は大きく改善され、懸念されていたかぶれ作用も大幅に低減し、極端な過敏者に対しても問題のない製剤ができた。本改良製剤における殻油効果は安定であり、現在まで40℃、2ヶ月放置でも大きな問題がないことを確認した。(2)酵母界面活性剤およびカシューナッツ殻油をウシに給与し、メタン低減量(乾物摂取量あたり)を実測したところ、前者で5%、後者で38%の低減をみた。よってカシューナッツ殻油のほうがはるかに効果的と判断された。ただし消化率(乾物、有機物およびエネルギー)の低下もみられたため、殻油の最も適切な添加濃度について検討することが今後必要と思われる。メタン低減とともに、ルーメン内プロピオン酸の増加が認められ、これによる水素処理の増強がメタン低減の主要因と判断された。酵母界面活性剤およびカシューナッツ殻油各々をウシに給与し採食状況(嗜好性)や血液成分を検討したが、悪影響はほとんどみとめられず、殻油給与牛については剖検も実施したが、なんら異常はなかったため、短期間給与(2週)の障害はないと考えられた。(3)委託先の研究牧場に42頭のホルスタイン雄肥育素牛を導入、1ヶ月の馴致後、11月下旬より14頭ずつの3群にわけ、無添加飼料(対照区)、モネンシン添加飼料(モネンシン区)、カシュー殻油添加飼料(殻油区)を給与した。 |
カテゴリ | ナッツ 肉牛 |