課題名 | 葯培養とウイルスベクター技術を用いたリンゴ新育種システム構築 |
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課題番号 | 2009014209 |
研究機関名 |
岩手大学 福島県(農業総合センター) (独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | (1)FT-ALSVを接種したリンゴ実生の花粉および雌蕊を交雑に用いることで、最短6か月で正常に発育する種子を得ることに成功した。すなわち6か月でリンゴの1世代の経過が可能になった。次世代へのALSVの感染率は胚珠経由が約4.0%、花粉経由が0.38%であった。ALSVの圃場条件での自然伝搬は起こっていないことを確認した。また、各種FTホモログとプロモーターの組み合わせによってリンゴの花成誘導に差違が生じることが判明し、木本植物の花成制御機構の解明のために重要な知見が得られた。(2)今年度の葯培養で‘千秋’由来のシュートを40個体、‘Starking Delicious (SD)’由来を25個体獲得した。基本培地での胚様体形成率は‘祝’が24.7%、‘SD’9.3%、‘千秋’3.4%で、置床葯数あたりのシュート形成率は‘祝’が0%、‘SD’0.06%、‘千秋’0.14%であった。γ線照射花粉を照射した果実の胚は交配後約40日以降しいな化し、完全種子は得られなかった。単為発生胚の獲得には胚珠培養が必要と推察された。‘Prima’ב95P6’の実生と‘Golden Delicious (GD)’ב95P6’の実生を目標の100個体以上を獲得した。また、‘95P6’の花粉発芽率を5日程度の低温処理で向上させる技術を確立した。‘95P2’の花粉発芽率は‘95P6’より高く、花粉親として有望と判断された。(3)ALSVベクターを用いて播種後約6か月で獲得した次世代の種子・実生の由来をSSRマーカーを用いて調査した。種子親、花粉親とも交雑組み合わせのとおりであることを確認した。福島県果樹研究所のすべての葯培養由来個体は2倍体であると判明した。DH系統のS遺伝子型は‘92P3’と‘95P5’がS7S7、‘95P2’と‘95P6’がS1S1、であった。‘Prima’ב95P6’などのDH後代実生を100個体以上獲得し、圃場に定植した。遺伝子組み換え技術を用いずに播種後2年の実生の開花に成功した。開花個体は緑枝接ぎ時の先端部の芽に由来し幹直径が大きい個体であった。花成にはリンギングが効果があった。 |
カテゴリ | 育種 栽培技術 播種 りんご |