課題名 |
G 森林の生物多様性の保全と評価・管理・利用技術の開発 |
課題番号 |
2011017664 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
(独)森林総合研究所,研究コーディネータ
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研究期間 |
2011-2015 |
年度 |
2011 |
摘要 |
<研究内容>シカの個体数管理に重要な捕獲後の有効活用体制の構築に資するため、捕獲から解体に至るまでの衛生的な処理技術を開発し、技術指針を示す。また、希少種の脅威となっている外来動物マングース根絶に向けて低密度下における残存個体群の探索・制御技術を開発する。皆伐と生物多様性の関係について、既存データを基に評価を行う。また、小笠原の森林生態系の回復のために、乾性林(乾性立地に成立する森林)に侵入したモクマオウの排除後の影響を評価し、在来生物相の適切な回復・管理方法の開発を行う。さらに、熱帯地域の腐朽病害予防及び熱帯産きのこ類の有効利用技術開発のために、多様性ホットスポットである半島マレーシア産きのこ類のDNAバーコードによる分類システムを開発する。<成果の概要と活用>シカの捕獲から解体に至るまでの衛生的な処理技術と技術指針を提示するとともに、外来動物マングース根絶に向けて低密度下における残存個体群の探索・制御技術を開発しその有効性を示した。また皆伐と生物多様性の関係に関して既存データや調査に基づく評価を行いわが国の森林政策の立案に寄与した。さらに小笠原の外来樹種モクマオウの排除後の影響を評価し、在来生物相の適切な回復・管理方法を開発し、その成果を林野庁による保全事業に活かした。また、生物多様性ホットスポットである半島マレーシアのきのこ類DNAバーコードによる分類システムを開発した。特に、皆伐と生物多様性の関係を整理し、野外調査による結果も踏まえ、林業と生物多様性の両立が可能であると示したことは、森林・林業再生プランで求められた「皆伐や更新と公益的機能との関係の科学的分析」に対する具体的な回答である。また、小笠原におけるクマネズミ根絶による鳥類復活の証明は、わが国で初めての研究成果であり、外来種対策の顕著な成功事例として大きな意味を持つ。また、今後の松食い虫防除研究において欠かすことのできないマツノザイセンチュウの全ゲノムの解読を世界で最初に成功し公開した。
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カテゴリ |
シカ
防除
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