課題名 | 野菜におけるゲノム情報基盤の構築と利用技術の開発 |
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課題番号 | 2011017546 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,野茶研,野菜育種・ゲノム |
協力分担関係 |
生物研 農環研 千葉大学大学院園芸学研究科 東京大学大学院農学生命科学研究科 三重大学遺伝子実験施設 宮崎県総農試 かずさDNA研究所 カゴメ(株)総合研究所 カネコ種苗(株) 原子力研究開発機構 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 汎用的なトマト及びナスのDNAマーカーセットの開発に関しては、a)ナスゲノムの140倍に相当するショットガン配列データを取得し、これをアセンブルして得た1.1Gbpのゲノム配列データから、ゲノム全体に均等分布が期待できるSSRマーカー群を設計した。b)トマトF1品種「Geronimo」と「桃太郎8」の交雑F9世代の組換え型自殖系統群(RILs)を育成した。F6~F8の計3世代分の形質値を用いた解析から、糖度で4個、総収量で5個のQTLを検出した。 結果性等重要形質の遺伝解析と制御遺伝子の単離に関しては、a)トマト単為結果性原因遺伝子のゲノム上の座乗位置を遺伝的に特定し、詳細DNAマーカーの開発によりその領域を約300kbの範囲に絞り込んだ。この領域のゲノム配列の比較解析と推定機能情報から、野生型との間に顕著な構造変異を示す候補遺伝子を選定した。b) ナス単為結果性遺伝子座Cop8.1を含むゲノム領域 (約2.3Mb) に対応するBACクローンを選抜し、これを整列化して1.7Mbの領域をカバーすると想定されるBACコンティグを構築した。この遺伝子座に対する選抜マーカーによって、複数の交雑組み合わせ後代において高精度に単為結果性選抜が可能であることを明らかにした。 結果性等重要形質の機能解明に関しては、a)内生のオーキシン及びサイトカイニンの濃度が開花後のトマト子房で顕著に上昇することを明らかにした。さらに、サイトカイニン量を制御する多くの調節酵素遺伝子群の中から、子房におけるホルモン量の変動と発現量に明瞭な相関を示す責任遺伝子候補を特定した。b)開花後の果実肥大過程において、受粉に依存しない細胞数の増加による初期の子房肥大と受粉等によって細胞肥大が誘導される後期の子房肥大との2つのフェイズがあることを見い出し、ナス果実形成において重要な発生ステージは初期フェーズから後期フェーズへの移行ステージであることを明らかにした。 このほか、イチゴの高速マーカー開発のためRAD(restriction siteassociated DNA)データの解析条件を最適化した。また、連鎖群間の同祖性推定や2倍体イチゴ野生種との比較ゲノム解析に必要なRAD産物の配列情報を、ロングリード型の次世代シーケンサを用いて取得した。 |
カテゴリ | ICT いちご 施設園芸 受粉 単為結果 DNAマーカー トマト なす 品種 |