水稲の直播栽培用早生良食味系統・品種ならびに開花期耐冷性選抜マーカーの開発

課題名 水稲の直播栽培用早生良食味系統・品種ならびに開花期耐冷性選抜マーカーの開発
研究機関名 地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部上川農業試験場
研究分担 水稲グループ
研究期間 新H22~24
年度 2010
摘要  直播栽培を安定させるためには、品種の低温苗立性、耐冷性および食味水準の向上が求められている。ホクレン農業総合研究所のバイオ技術と母本を活用し、上川農試が持つ直播に関する材料および検定技術を併せる共同研究の構築により、「緑育PL1」程度の高度な低温苗立性と開花期耐冷性を含む高度な耐冷性を有する、「ほしのゆめ」以上の良食味系統を早期に作出することを目的とした。1)早生良食味の直播栽培用系統・品種の作出 (1)次年度、葯培養に供試するための3組合せのF1種子をホクレンへ送付した。2)交配に用いた「上系10259」の諸特性を調査したところ、稈質、粒重の改善が必要と考えられた。3)葯培養由来DH個体について玄米品質により現在選抜中。4)系統選抜では300系統を圃場選抜した。うち249系統についてアミロースおよび蛋白質含有率を調査した(ミロースについて良食味性の導入親に近似する系統が多かったが、蛋白については高い系統が多かった。120系統を低温苗立性検定実施のためホクレンへ送付した。 2) 開花期耐冷性に関するDNAマーカーの開発(1)開花期耐冷性に関するQTL解析(1)永系88223/2*彗星のBC1F4世代120系統を用いてQTL解析を行った。各系統の耐冷性については丹野ら(2000)の簡易検定法により調査し、QTL解析については解析ソフトQTL Cartographer2.5を利用した。結果、前年度同様に第7,8および12染色体の計3か所にQTLを検出した。(2)検出された各QTLのLODピーク近傍のDNAマーカーについて、開花期耐冷性検定の基準品種・系統における遺伝子型を調査したところ、各マーカーで複数の遺伝子型が検出された。この結果をもとに、各QTL近傍マーカーの遺伝子型が異なる系統を導入親に、供与親を彗星に用いた4つの分離集団を用いてF2もしくはF4世代での開花期耐冷性DNAマーカー選抜の実証試験を行った。結果、いずれのマーカーにおいても導入親型で稔実率が高くなるものの、遺伝子型毎の稔実率平均に有意差が認められる組合せとそうでない組合せがあった。QTL近傍の位置の異なる他のマーカーでは遺伝子型毎の稔実率の差に有意差が認められるため、試験選抜対象の遺伝子と用いた近傍マーカーにある程度の遺伝的距離があると示唆される。
カテゴリ 簡易検定法 直播栽培 水稲 DNAマーカー 品種 良食味

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