摘要 |
1)rcn6変異体(N-186)xカサラスの交雑F3系統110系統の後代検定により、Rcn6をM19とM20間の383kbにマップした。 2)rcn3変異体(N-176)xカサラスの交雑F3系統のうち、昨年度までに決定した800kb内で組換えしている28系統のF3後代検定により、Rcn3を130kbに候補領域を狭めることができた。3)rcn5変異体(N-185) xカサラスの交雑F3系統30系統の後代検定により、Rcn5の候補領域として昨年まででに絞り込んだ250kbを再確認した。4)単年度の表現型調査から選抜した長穂型および強稈型少分げつ突然変異体の形質発現を評価した。株あたりの穂数は、既報のrcn5とrcn6よりも少ない3.3本のS-97-35から中庸な10.9本のS-96-32、14.3本のS-97-34となった。穂長および一穂籾数では、既報rcnと異なりS-96-32とS-97-34で原系統並みとなった。S-97-35では、昨年度の北大栽培での結果とは異なり、本系統では環境の影響を受けやすい可能性が考えられた。開花日および成熟期については、S-96-34では原系統並みとなり、S-96-32とS-97-35では、晩生となった。5)S-96-34の稈の物理的特性と物理的強度を計測して強稈性を評価した。S-96-34は、各節間がほぼ均等に短稈化する半矮性となった。計測にあたって節間の長さが影響しない様にするため、10cm前後のほぼ同じ長さに伸長している節間のみを供試した。開花後20目に主稈をサンプリングし、最下節間を計測した。稈の外径は同程度だが内径が小さくなる傾向が示され、その結果、稈壁が1.3倍と厚くなり断面積も1.2倍強となった。続いて、支点間距離4cmの支点上に支え、節間の中央部に荷重し、挫折時の荷重を万能材料試験機テンシロンで測定し、挫折時モーメント、曲げ応力、断面2次モーメント、ヤング率、曲げ剛性、そして断面係数を求めた。その結果、挫折荷重および挫折時モーメントがWTの1.2倍程度となった。従って、同じ長さに伸長した節の稈壁が内側に1.3倍厚くなっていること、そしてその強度が1.2倍になっていることが示された。
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