課題名 |
低コスト化を目指した新たな水稲栽培技術体系の確立 |
研究機関名 |
宮城県古川農業試験場
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研究分担 |
水田利用部
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研究期間 |
新H22~24 |
年度 |
2010 |
摘要 |
目的:担い手農家の減少による労働力の低下や,農地の集積による大規模化,農作業の集中化などが進んできている。また,法人や生産組織等においては,耕作面積が拡大傾向となっている中,育苗にかかる労力やハウス等施設が受託面積の拡大を妨げる大きな要因となっている。さらに,毎年のように下がり続ける米価やリン,加里などの肥料費の高騰等により,10a当たり農業所得は減少の一途をたどっている。 昨年,普及に移す技術参考資料となった「常時被覆による簡易な無加温出芽乳苗育苗」は,10日程度で田植えができ,育苗ハウスの効率的利用により固定費等の削減が期待される。そこで,常時被覆簡易乳苗と育苗箱全量施肥などを組み合わせた,新たな水稲栽培技術を確立し,育苗ハウスの2回転利用や必要箱数及び肥料施用量の削減などにより低コスト化を図る。 これに加えて,疎植栽培は育苗箱(苗)数の大幅減少が可能であり,育苗管理や移植時の大幅な労力軽減にも繋がるとともに,既存育苗施設(ハウス)の削減や効率的な活用も可能となる。そこで,乳苗及び稚苗を用いた疎植栽培技術の確立を目指す。 成果:1)常時被覆簡易育苗及び育苗箱全量施肥による水稲栽培技術育苗試験では,苗箱当たりの現物施肥量が多くなると床土量が減ることから,マット強度が弱くなる傾向がみられた。ほ場試験では,苗箱全量施肥+乳苗区は欠株率が高く,収量も低い傾向にあることから,生育量及び収量を確保するためには肥料ロス(欠株)を低減させることが必要であると考えられた。 2)水稲疎植栽培の基本技術5/6移植における収量は,疎植の中苗,稚苗で稚60とあまり変わらず,乳苗でやや低くなった。5/21移植の収量では,稚60に比べ全ての疎植区で低く,特に乳苗で低かった。収量の低くなる要因は,登熟歩合が低くなったことによった。
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カテゴリ |
肥料
育苗
栽培技術
水稲
施肥
大規模化
低コスト
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