課題名 |
寒冷地太平洋側における輪作リスク低減と大規模省力水田輪作の体系化と実証 |
研究機関名 |
宮城県古川農業試験場
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研究分担 |
水田利用部
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研究期間 |
継H19~23 |
年度 |
2010 |
摘要 |
目的:本県を含む寒冷地では気象条件により,麦と大豆の輪作ではそれぞれの作期が重なることから,麦又は大豆の単作を選択している現状にある。さらに大豆では,梅雨期に当たる中耕培土作業が困難なため,生育期処理剤の利用や収穫前の手取り除草に頼る例も少なくない。また,大豆後の水稲栽培は倒伏や食味低下のリスクを抱えており,これらの課題は,水田農業の低コスト化を阻む潜在的要因となっている。そのため,逆転ロータリ+播種機を使った汎用的播種体系による水稲乾田直播栽培と,難防除雑草の発生が少なくなる時期を利用した麦後の大豆晩播狭畦栽培を組合せ,水稲+麦+大豆の低コスト省力的な2年3作体系を確立する。 成果:1)乾田直播早期通水栽培の安定化 播種後の畝間通水は、通水した水がベッド内を先行移動し,徐々に圃場面まで上昇する挙動が明らかになった。 2)麦後大豆晩播狭畦栽培技術の安定化 輪作によりマメシンクイガの発生は心配ないが、フタスジヒメハムシは、第2世代以降で成虫侵入が起こるため,防除は必要と考えられた。 3)現地輪作モデル実証 2年3作体系での現地慣行体系比較では,作業時間で20%,雇用労働費を除く流動経費で24%の低減となった。汎用コンバインでの水稲収穫は作業能率は劣るが、自脱の補完として充分な機能を有しており、汎用コンバインの麦・大豆・水稲への汎用利用が可能と判断された。 4)輪作体系の評価と営農モデルの設定営農モデル条件下で水田の合理的な作付け体系をシミュレーション分析すると、体系別では「移植水稲-新大麦・晩播大豆-乾直水稲」の3年4作体系が30.1ha、その他単作作物が19.9ha選好された。新技術を導入した場合の耕地利用率は120.0%で構成員当たりの農業所得は432万円となり、現行の398万円と比較して増加する。
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カテゴリ |
病害虫
乾田直播
狭畦栽培
除草
水田
大豆
低コスト
難防除雑草
播種
防除
マメシンクイガ
良食味
輪作
輪作体系
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