環境保全型水稲栽培の推進に向けたIWMの実践支援(平21~23,県単)

課題名 環境保全型水稲栽培の推進に向けたIWMの実践支援(平21~23,県単)
研究機関名 宮城県古川農業試験場
研究分担 水田利用部
研究期間 継H21~23
年度 2010
摘要 目的:本県では水稲の環境保全型特別栽培への取り組みが作付面積の4割を超え、今後さらなる取り組 みの拡大が図られている。しかし近年、新たな水稲用除草剤スルホニルウレアへの抵抗性雑草オモ ダカの蔓延や、多年生雑草クログワイの多発等が問題となっている。また、大豆作後の復元田では、畑転換時の残草等に起因するアメリカセンダングサ、ノビエ、そしてクサネムの多発がみられる。これらの雑草問題は、特定除草成分の連用、生産調整や圃場整備にかかる水田の利用来歴が大きく影響しており、この解決には関係各機関の連携した取り組みが重要である。今後の環境保全型農業の推進と、農業経営の大規模化への対応、そしてさらなる低コスト化による本県水稲作の持続的発展のためにも、畑転換時も含めた水田雑草の広域的・総合的管理の実践が不可欠である。これまで、病害虫防除の分野では、被害リスクに応じて必要最小限の農薬使用となるよう農薬以外の各種防除法の組み合わせを選択するIPM(Integrated Pest Management;総合的有害生物管理)の研究が進んでおり、発生予察情報と要防除水準を基にした広域管理技術が農薬使用の節減に大きく貢献している。一方、雑草防除分野でも、難防除雑草の雑草害リスクに基づき、除草剤代替技術も含めた効果的な除草技術を選択するIWM(Integrated Weed Management;総合的雑草管理)についての基礎研究が独立行政法人を中心に展開されている。そこで、本課題では、現地における問題雑草の発生動向を関係各機関との連携の基に継続的に監視するとともに、多発事例の詳細な解析から問題化の要因を明らかにする。また、問題雑草の分布拡大を予測し、雑草種に応じたIWM要素技術を提案することで、環境保全型水稲栽培の推進に向けた広域的・総合的な水田雑草管理を支援することを目的とする。 成果:1)難防除雑草多発要因の解明と発生予測モデルの確立  各農業改良普及センター・病害虫防除所・農薬メーカー等と連携することで,宮城県内の水稲・大豆作付け水田圃場における難防除雑草の発生動向を把握し、これらの情報を関係各機関(JA・市町村・土地改良区)に提供するとともに、該当圃場に関する情報(圃場の利用来歴・栽培管理履歴等)の提供を求め、これを基に各草種の多発要因を統計的に解析した。多発圃場の地理的分布を基に雑草多発のリスクマップを作成した。また、輪作水田における水稲作・畑作雑草の発生動向についても定量的知見を得た。 2)雑草害リスクの評価法確立と総合的雑草管理技術の組み立て  簡易な残草量の達観評価法開発のため圃場単位で雑草植生量を測定する簡易空撮手法を導入した。薬剤防除晩限の残草量と水稲収量要素、多年生雑草の残草量と塊茎形成量等の量的相関を解析する基礎データを収集した。同時に、IWM要素技術となる秋耕・春耕,深水管理等が各雑草種の発生と薬剤防除に及ぼす相乗的効果について基礎的検討を行った。
カテゴリ 病害虫 管理技術 経営管理 栽培技術 雑草 除草 除草剤 水田 水稲 大規模化 大豆 抵抗性 低コスト 難防除雑草 農薬 病害虫防除 評価法 防除 水管理 薬剤 輪作

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