有用遺伝資源の増殖技術の開発

課題名 有用遺伝資源の増殖技術の開発
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 作物園芸部
研究期間 継H18~H22
年度 2010
摘要 目的:遺伝資源の中には、実生系や栄養系での維持・増殖が困難で病害等による消失が懸念されるものもあることから、培養手法を活用した増殖技術や長期保存技術を開発する。 成果:(1)リンドウの培養節を15℃、2000lux、18時間日長条件で培養することにより、培養越冬芽が形成されることを確認した。培養越冬芽形成までの期間や形成率は系統により差が認められたが、実用的には問題ないと考えられる。 (2)カラーの頂芽茎頂およびわき芽をBA1.0mg/lとNAA0.01~0.1mg/lを添加したMS培地で培養することで、1芽から1~3本のシュートが形成され、同じ組成の培地に1本づつシュートを分割して継代することで培養増殖が可能であった。また、培養シュートをショ糖3~6%添加したMS培地や、さらにBA1.0mg/lとNAA0.01mg/lを添加したMS培地で5か月程度培養することで容器内で小球根が形成された。しかし、形成された小球根はすべて1g未満と小 さく、種子から形成される仔芋と同程度の大きさ(1g以上)の小球根を形成させることは困難であると考えられる。(4)カラーの培養苗はバーミキュライトまたはパーライトを混合した用土であれば順化は容易であった。カラー培養 苗をパイプハウスに定植して球根養成を行う場合、5月頃の定植で問題ないと考えられた。また、球根肥大に適する土壌酸度は概ね5.5~6.5の範囲であった。(5)アスパラガス培養シュートは、5℃の温度条件で培養することで16か月程度継代することなく培養容器内保存でき、保存後も正常シュートの再分化率が高いことが確認できた。リンドウ培養越冬芽は、ショ糖3および9%添加した培地で、10℃の温度条件、または、ABAを0~10.0mg/l添加した培地で、5~15℃の温度条件で培養することで、18か月程度の保存が可能であった。特に、ABA添加は、培養越冬芽の伸長を抑制し、培養越冬芽の形態を維持する効果が認められた。カラーの培養シュートはショ糖濃度6~9%のMS培地で小球根を形成させることで、継代やシュートの切除等の操作をすることなく18か月間培養容器内での保存が可能だった。
カテゴリ アスパラガス 遺伝資源 カラー 栽培技術 長期保存・貯蔵 びわ りんどう

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