摘要 |
目的:中山間地域の水田転換畑を活用したリンドウおよびシュッコンカスミソウの高品質安定生産技術を開発し、南会津等の既存産地の活性化および阿武隈高原等での新規産地の育成のための支援技術を確立する。 成果:リンドウの採花期は、小トンネル被覆で7~8日前進し、遮光フィルムの地表面被覆で0~3日遅延した。また、花芽分化期以降の60%遮光処理により採花期が0~3日遅延した。 リンドウの花弁が色抜けする症状は、開花約1ヶ月前の生育ステージ以降において、最高気温27℃以上、最低気温20℃以上、日照時間4hr以上の高温条件が複合、連続することにより発生が助長されると推定された。 リンドウの収穫法について、収穫時に基部を30cm残すことにより、当年の越冬芽形成と翌年の切り花品質が良好となった。また、全茎を地際から収穫した後のジベレリン処理は、株の維持に効果があり、翌年の切り花品質が向上した。 「ふくしまさやか」の半促成栽培において、側芽発生期からの早朝降温処理(ハウス開放)により花段部の過剰な節間伸長が軽減された。リンドウの育苗技術では、2.5対葉からの2~6℃、30日間の低温処理により、苗の根部乾物重が増加した。また、夜間における最低夜温2℃又は5℃の低温処理により、苗の芽数及び乾物重が増加した。リンドウ苗へのLED(470~830nm)補光処理は、いずれの波長も生育促進効果はみられなかった。リンドウの生理障害は、定植3年目のクロールピクリン剤マルチ畦内処理により生育量が良好となり、切り花本数および品質が優った。しかし、欠株率は、無処理区より低い水準であったが上昇した。
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