茶・果樹の放射性セシウム濃度低減技術の開発

課題名 茶・果樹の放射性セシウム濃度低減技術の開発
課題番号 2011018247
研究期間 2011-2011
年度 2011
摘要 (1)茨城県農業総合センター山間地帯特産指導所内圃場において、高圧洗浄機を用い、洗浄圧と水量の調整方法、樹体の洗浄位置を検討した上で、洗浄処理条件を設定した。高圧洗浄処理後は、樹体損傷の有無や茶樹の放射性セシウムの洗浄効果を確認し、試験を終了した。(2) 高圧洗浄機を用いて茶樹の水による洗浄を行い、深刈り層から中切り層の放射性セシウム濃度を最大24%低減する事が出来た。ただし、他の部位では放射能濃度を有意な差で低下させる事は出来なかった。   試験方法は春整枝面まで刈り落とし洗浄を行った。10aあたり、2,000、3,000、4,000リットルの水を使用した区を設定した。高圧洗浄機はリョービAJP-1700VGQを使用し、使用水圧は7.5MPa、洗浄効果を高めるためノズルは回転水流を発生させる付属のターボノズルランスを用い、枝葉を損傷しない様に洗浄を行った。(3)神奈川県農業技術センター北相地区事務所内のほ場において、平成24年2月3日に動力噴霧機及び高圧洗浄機を用いて茶樹を水で洗浄し、樹体の部位別(古葉、小枝、太枝)に放射性セシウム濃度の測定を行った。また、平成24年2月15日に当所内ほ場から茶樹の小枝(葉面から20cm下方)を採取し、水道水、1%アルカリ溶液、1%酸溶液に2分間の浸漬処理を行い、放射性セシウムの低減効果を検討した。樹体洗浄及び浸漬処理ともに3反復で行った。(4)ゼオライト施用後の茶園土壌中の放射性セシウム量と、そこから3種類の抽出方法で抽出される放射性セシウム量を測定した。抽出法は、水抽出法、酢酸アンモニウム抽出法、クエン酸抽出法を採用し、公定法に基づいた抽出を行った。その結果、ゼオライトの施用の有無に関わらず放射性セシウムは抽出されなかった。(5)噴霧機を利用した高圧洗浄技術については、動力噴霧機、高圧洗浄機、スピードスプレーヤ(以下、SS)搭載補助散布装置を供試し、モモの樹体を対象にノズルを旋回ノズルと直進ノズル、噴霧圧力を2.5MPa、5MPaに変えて試験を行った。再汚染防止技術についてはゼオライトシート、寒冷紗を洗浄時に樹冠下に設置してその効果を調べる試験を行った。粗皮削りについては電動粗皮削機を試作し、ナシの粗皮削り試験を行った。さらに、再汚染防止技術として歩行型トラクタをベースに樹冠下表土を剥土する剥土機を試作し、剥土試験を行った。(6)モモ及びウメでは、高圧洗浄機に旋回ノズルを装着し、4~6MPaでの樹体除染効果を検証した。また、リンゴ、ナシ及びカキでは、高圧洗浄機の水圧を6~10MPaに上げて、粗皮の剥皮を兼ねた樹体除染効果を検証した。さらに、これらの樹体除染技術を樹種ごとに技術体系を策定した。(7) 安定セシウムを2011年6月に葉面散布および土壌施用した茶園から、秋芽を採取してセシウム濃度を分析し、吸収特性を把握した。また、窒素、リン酸、カリウム、カルシウムの施肥の影響を見るために10年以上継続調査している四要素試験圃場から採取した茶葉について、放射性セシウム濃度および各種成分濃度を分析し、樹体中の各種成分濃度と放射性セシウム濃度の関係を明らかにした。さらに、各県の調査データを検討して、放射性セシウムの動態に及ぼす要因を汚染程度別に解析した。
カテゴリ うめ かき 除染技術 施肥 もも りんご

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