課題名 |
ブタの筋肉内脂肪交雑を決定するQTLの解明 |
課題番号 |
2011019151 |
研究期間 |
2007-2011 |
年度 |
2011 |
摘要 |
(1)SSC7およびSSC14の筋肉内脂肪含量(IMF)に関するQTL領域をホモ接合体で保有するデュロック種種豚の作出のため、これらQTL領域近傍の19個のマイクロサテライトマーカーについて、約180頭の産子のタイピングを行った。マイクロサテライトマーカーのタイピング情報は、岐阜県でのマーカー選抜に利用された。(2)岐阜県のデュロック種系統豚アイリスナガラを対象に、今年度D500とW種雌豚5頭から生産された24頭を加えた計103頭について、141個のマイクロサテライトマーカーを用いてQTL解析を行った。その結果、ドリップロスについてSSC14に、IMFについてSSC17に、QTLが検出された。またマイクロサテライトマーカーの解析より、D500では、SSC14の15cMから40cMの領域は染色体がホモ化されており、ドリップロスのQTL領域は40cMより後方であると示唆された。またQTL領域のマイクロサテライトマーカーのハプロタイプ解析を行い、QTL型に対応するハプロタイプを明らかにした。(3)金華豚とデュロック種の交雑家系から選抜したIMFに関与するQTL領域(SSC5およびSSC13)を対象として、家系後代の個体を用いて、その効果の検証とQTL領域の絞り込みによる責任遺伝子の探索を試みた。しかしながら、対象としたQTLの効果が小さいため、飼育環境等の影響を受けて、QTLの効果の検証とQTL領域の十分な絞り込みは困難であった。これらのことから、ゲノム情報を利用したブタ育種においては、効果の大きいQTLについては、岐阜県のようにQTL近傍のマーカーによる選抜が有効であるが、効果の小さな個々のQTLについてはマーカーによる利用は困難であり、高密度のSNP等を用いてゲノム全体に散在するこれらQTLのポリジーン的効果の全体を捉えるという新たな戦略が必要であると考えられた。(4)マーカーアシスト導入で作出した家系において、SSC7およびSSC9のそれぞれのIMFに関与するQTLについて、異なる遺伝子型の個体をそれぞれ104頭、141頭抽出して、肉質を調査した。その結果、F2家系の解析で検出されたQTLの効果(デュロック種のアリルでIMFを増加させる)は、SSC7を対象とした家系ではみられていないが、SSC9を対象とした家系では、その効果が確認できた。
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カテゴリ |
アイリス
育種
豚
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