低温条件における苗立ち性の検定と遺伝的解析

課題名 低温条件における苗立ち性の検定と遺伝的解析
研究機関名 地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部上川農業試験場
研究分担 水稲G
研究期間 継H20~24
年度 2011
摘要 目的:北海道におけるイネの直播栽培用品種育成においては、低温下における安定した苗立ち性の付与が重要な育種目標となっている。本研究では、低温苗立ち性に優れるItalica LivornoおよびArroz Da Terraを材料に用いて、苗立ち性に関するQTL解析を行いDNAマーカーの開発を試みる。また、表現型のみを指標とした選抜と戻し交雑を並行して行い、得られたQTL についての効果の確認、さらに異なる遺伝背景下における効果についても検討を行い、低温苗立ちに関する育種素材の早期開発を目指す。
、結果:1)過年度のQTL解析で検出されたQTL領域のうち、「A.D.T.」を導入親とした場合に検出される第6染色体のqSES6と第11染色体のqSES11の2領域について、それぞれ分離集団を作成し、圃場での苗立ち性に安定した効果が認められるか再確認を行った。試験材料にはQTL解析材料のBILsのうち対照領域を保持する系統に「ほしのゆめ」を交配したF3集団(qSES11-F3・qSES6-F3)を用いた。圃場苗立ち検定は、播種深度1cm常時湛水条件で行い、播種後45日目の苗立ち率と土中出芽率を調査した。各系統50粒を播種。催芽有無の2処理区を設けた。結果、qSES11の分離集団において、qSES11領域と第3染色体短腕領域に土中出芽性に関するQTLが検出され、qSES11の圃場苗立ち性に関する作用が再確認された。qSES6-F3集団においては、いずれの「A.D.T.」由来の領域においてもQTLは検出されなかった。さらに、qSES11領域についての組換え固定系統群を用いて、同領域の絞り込みを行った。解析系統群においては、上記解析において苗立ち性への効果が確認された第3染色体短腕領域が分離していたため、同領域の遺伝子型毎でグループ分けを行い、苗立ち率の比較を行った。結果、RM26981~RM27207間の3.9Mbの遺伝子型毎で、苗立ち率に差が認められ、qSES11の座乗領域として推定された。
、2)表現型選抜および戻し交配:平成22年度に選抜・交配を行った材料について、次年度での表現型選抜を行うため、「A.D.T.」後代の223系統、「I.L.」後代の204系統について、BC3F2世代の養成を行った。

カテゴリ 育種 直播栽培 DNAマーカー 播種 品種

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