次世代農業を支える品種開発レボリューション事業(牧草)

課題名 次世代農業を支える品種開発レボリューション事業(牧草)
研究機関名 地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場
研究分担 作物育種グループ
研究期間 新 、H23~26
年度 2011
摘要  a試験目的:極早生~晩生の4熟期において、収量性、耐病性、耐倒伏性、混播適性および飼料成分などを向上した採草用系統の開発および道東地方向けの放牧用系統の開発に取り組む。
、b試験方法:各試験とも、系統適応性検定試験実施要領、種苗特性分類調査法および作物育種グループ(牧草)慣行法などで実施した。供試面積 150a。
、 c成績の概要:
、 (a) 牧草における夏期隔離温室利用による系統合成の加速化と冬期温室利用による耐病性選抜の効率化:(1)隔離温室内において、極早生1系統、早生2集団および中生4系統の交配と採種を行った。(2)晩生の10育成系統について斑点病幼苗接種検定を2回(試験1、2)に分けて行った。
、試験1:斑点病罹病程度(個体平均)は、「なつさかり」と比べ4系統とも有意な差はなかったが、抵抗性が強~極強の比較品種「アッケシ」と比べ、「北系10318」は有意に高かった。
、試験2:斑点病罹病程度(個体平均)は、「なつさかり」と比べ、「北系10323」「北系10324」は有意に高かった。「アッケシ」と比べ、「北系10322」、「北系10323」および「北系10324」が有意に高かった。これら3系統は本年度開始した生産力検定試験から除外した。
、 (b) 高競合力・障害抵抗性チモシー品種の選抜の強化:(1)農業特性で選抜したA群35系統、飼料成分で選抜したN群14系統および収量性で選抜したY群4系統を供試材料とした中生基礎集団において、3年目の倒伏程度などの調査を行った。1番草までの調査で有望であった345個体について、NIRSによる飼料成分分析を1番草において実施し、80個体を予備的に選抜し、次年度以降の栄養系評価試験遂行に十分なスタンドを確立した。(2)早生基礎集団の養成ならびに個体選抜試験として、耐倒伏性、競合力、採種性を重視して選抜した親栄養系の多交配に由来するI群(36母系)と、後代検定試験の結果を基に収量性を重視して選抜した親栄養系の多交配に由来するII群(28母系)、標準品種「なつちから」および比較品種系統5系統を播種し、次年度以降の試験遂行に十分なスタンドを確立した。(3)耐踏圧性の選抜に関する試験では、踏圧処理区と無踏圧区を設け、親栄養系と後代系統の播種後2年目の生育について比較し、親子相関から耐踏圧性の指標の狭義の遺伝率を推定した。
、 (c) 牧草育種における飼料品質の効率的な評価法の開発と選抜への応用:(1)中生基礎集団((b)(1)と同試験)345個体の3年目1番草における飼料成分を、NIRS及び化学分析分析し、中生後代検定試験の結果も併せて、51個体を選抜した。それらの平均は「キリタップ」平均と比べ、Ob含量で3.2%、Ob/OCWで2.4%低く、WSC含量で1.0%高かった。(2)農業特性で選抜したA群35系統、飼料成分で選抜したN群14系統および収量性で選抜したY群4系統を供試して、中生後代検定試験の3年目における飼料成分の調査を行った。N群は「キリタップ」と比べ、全14系統の平均値でOb含量が1.5~2.2%低く、WSC含量は0.8~1.4%高かった。収量性と飼料成分を主とした特性において有望な系統をA群から13系統、N群から7系統選抜した。(3)昨年度育成した晩生7系統を供試して、生産力検定試験の播種年における飼料成分の調査を行った。2番草の飼料成分では「なつさかり」より優れる系統は無く、3番草の飼料成分ではWSC含量で「北系10315」および「北系10317」が有意に高かった。(4)昨年度栄養価形質で選抜した早生の25栄養系について、長日条件で交配を行い、系統開発の早期化のため夏季(8月)播種で基礎集団を造成し、次年度以降の試験遂行に十分なスタンドを確立した。
、 (d) 次世代農業を支える作物育種の効率化:(1)中生基礎集団((b)(1)と同試験)の3年目1番草の調査を行った。本年度1番草までの主要な農業特性ならびに飼料成分で予備的に80個体を選抜した。(2)中生後代検定試験((c)(2)と同試験)の3年目の調査の結果、「キリタップ」と比べ各群の全系統平均値においてA群およびY群は年間合計乾物収量がやや多く、A群は倒伏程度や斑点病罹病程度が低い傾向にあった。一方、N群は倒伏程度が低い傾向であったが、年間合計乾物収量はやや少なかった。(3)早生基礎集団の養成ならびに個体選抜試験に供試した材料について、後代検定試験を開始し、次年度以降の試験遂行に十分なスタンドを確立した。(4)晩生生産力検定試験((c)(3)と同試験)の初年目の調査の結果、「なつさかり」と比べ乾物収量では1番草で「北系10315」が多く、年間合計で「北系10315」および「北系10318」がやや多かった。(5)育成品種「なつちから」、「キリタップ」、極早生5系統、中生2系統(「北見30号」、「北見31号」)の採種を行った。
カテゴリ 育種 抵抗性 播種 評価法 品種 品種開発

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