重要藻類の養殖技術高度化と新養殖品目の開発

課題名 重要藻類の養殖技術高度化と新養殖品目の開発
研究機関名 宮城県水産技術総合センター
研究分担 養殖生産部
気仙沼水試
研究期間 H23-25年
年度 2011
摘要 目的:本県のノリ、ワカメ等の藻類養殖は、東日本大震災により大きな被害を受けた。復興に向け、震災後の漁場環境に対応した養殖技術の高度化とともに、新たな養殖種目の技術開発が求められている。ノリについては、震災後の地盤沈下に伴う張込み水位の変化や陸域からの流入による水質の変動などが色落ちや病害発生に影響を与えることが予想され、対策が求められている。ワカメについては、漁場の特性に合った養殖ワカメ品種を継続して作出に努めると共に、地種の安定確保のため沖出し時の芽落ち防止技術の開発を行う。また、新たな養殖種目のタオヤギソウについては、漁場内の母藻が壊滅したことから保存細胞の培養によって盤状体(座)の増殖を図るとともに、その盤状体を用いて母藻の育成を検討する。
、成果:ノリ漁場の栄養塩濃度とノリの色調の関係を解析した。石巻湾の三態窒素濃度は12月中旬から1月上旬に3μg-at/lを下回ったが、色調は維持された。このことは、震災でノリ網の密度が減少したことも影響している可能性があった。残留塩素調査を松島湾周辺で21回行い,このうち5回の調査で残留塩素が検出された。9月16日に11測点の広範囲で検出されたが,いずれもノリへの影響は確認されなかった。検出濃度はいずれも0.02mg/lであった。石巻湾では4回調査を行ったが,残留塩素は検出されなかった。病害発生状況は、育苗期には病害の発生は確認されなかった。秋芽生産期には例年11月中旬まで発生するあかぐされ病が12月21日まで確認されなかったが,例年終息する冷蔵網期に入っても散見された。
、ワカメについては、気仙沼市階上海域から回収した地元で優良品種とされるワカメを母藻として雌雄別に配偶体を分離した。また、波路上漁港付近,蔵内漁港付近からも天然ワカメを採取し、それを母藻として雌雄別の配偶体も分離した。他県の鹿児島、大分、島根(隠岐)、香川等の天然系統を入手した。ワカメ芽落ち対策のため、継代保存中および今年度に入手した西日本産ワカメの配偶体も含め芽胞体を作成し、幼芽期の高温耐性の試験を実施し、秋田の天然系統と対馬の継代系統で28℃の高温耐性を確認した
、タオヤギソウについては、瓦礫の中から枯死寸前のタオヤギソウを回収し、培養液を使って洗浄を繰り返したところ一部の盤状体(座)から葉体が伸長し始めた。
カテゴリ 育苗 高温耐性 品種 山羊

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる