課題名 | 種苗生産施設整備事業 |
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研究機関名 |
宮城県水産技術総合センター |
研究分担 |
養殖生産部 |
研究期間 | H23年 、 |
年度 | 2011 |
摘要 | 目的:東日本大震災により,ワカメ養殖は本格的な収穫を前にほとんどが滅失した。ワカメ種苗の多くは岩手県に依存しており,種苗の確保が課題であることから人工採苗を行い,種苗の供給を行う。また,漁業者自ら人工採苗に取り組む地区もあることから,安定生産に向けた技術指導を行う。他に秋田県から同県が特許出願した「海藻種糸巻付器」に着生させた種糸の提供を受け,海洋環境の異なる海域での海藻種糸巻付器を使用したワカメ養殖に関する基礎資料を収集する。 、成果: 、1 人工採苗 、(1)遊走子からの採苗 、 秋田県男鹿,宮城県東松島市宮戸,石巻市北上町十三浜,南三陸町歌津で採取された雌株を用い,採苗枠 (種糸59,600m)に種付けを実施した。 、(2)フリー配偶体からの採苗 、 (独)水産研究総合センター東北区水産研究所のご協力のもと,本県が保有している早生ワカメの早苗系,宮城天然系(南三陸町歌津の天然ワカメから採取),宮城養殖系(南三陸町歌津から採取)や徳島県水産研究所から提供された岩手系(大槌町,宮古市田老産)及び鳴門系のフリー配偶体を拡大培養した。これらを海藻種糸巻付器(種糸44,760m)に着生させた。また,秋田県水産振興センターから海藻種糸巻付器に着生した種糸(気仙沼市唐桑から採取したもの。以下,「唐桑種」という。)19,000mの提供があった。 、(3)配布実績 、宮城県漁業協同組合関係支所,塩釜市漁協,牡鹿漁協に採苗枠に巻いた種糸40,400m,海藻種糸巻付器に着生させた種糸43,400m(合計83,800m)を配布した。また,唐桑種は県漁協唐桑,気仙沼地区,歌津,浦戸東部の各支所に希望数量である15,050mを配布した。 、2 人工採苗技術指導 、 漁業者自ら人工採苗を行った宮城県漁協宮戸支所及び塩釜第一支所において技術指導を行った。 、3 海藻種糸巻付器の効果把握 、 海藻種糸巻付器に着生した種糸を主に配布した唐桑,気仙沼地区,歌津支所において,海藻種糸巻付器の使用状況,生長等について聞き取りを実施した。その結果,本県では幹縄に種糸を取り付ける方法として挟み込み法が一般的であったこともあり,巻き込み法で海藻種糸巻付器を使用している支所は無かった。唐桑種は挟み込み法で本養殖しており,その生長は他の種苗と比較して遜色のないものとなっている。なお,補完調査として海藻種糸巻付器を用いて試験筏に巻き付けたところ,従来の手作業で行う方法に比べ,作業性は格段に効率がよかった。 、 |
カテゴリ | 桑 |