課題名 | 2)高品質・良食味米生産を実現する 、収穫適期延長技術の確立 、(1) コシヒカリの超晩植(6月移植) 、における適正生育指標の解明 |
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研究機関名 |
石川県農業総合研究センター |
研究分担 |
作物栽培G |
研究期間 | 新H23~25 |
年度 | 2011 |
摘要 | 、目的:大規模稲作では作業競合等の理由により移植時期が大幅に遅れる場合がある。他方、水田の高度利用等の目的により大麦収穫後の水田で稲作が行われている。これらに対応するため、超晩植栽培において目標とする収量と構成要素、及びそれを達成する稲体の生育パターンを明らかにする。本年度は収量、品質、食味を確保するためのステージ毎の適正生育指標を作成するためデータの蓄積を行う。また、新しいタイプの晩植コシヒカリ基肥一発肥料の効果検証を行う。 、成果:出穂期は8月18日、成熟期は9月27日であった。平均気温は登熟期間の前半25.7℃、後半23.5℃で推移し、日射量は登熟期間の前半に少なかった。茎数は試験区間に有意な差が認められなかった。最高分げつ期の茎数は全試験区で600本/m2前後に達した。幼穂形成期の窒素吸収量は全区が5月移植コシヒカリ(基礎調査)よりやや多い傾向であった。成熟期の稈長は全区で100cm以上になり、9月4日(出穂17日後)頃に全面倒伏した。倒伏程度は甚であった。茎1本あたりの茎乾物重は約1.1gと軽かった。収量は全区で400kg/10a程度の低収であった。収量構成要素は、穂数が400本/m2前後に達し、m2当たり籾数は30,000~34,000粒であったが、登熟歩合が低かった。玄米外観品質及びタンパク含有率は有意な差が認められなかった。 、 以上より、6月15日移植コシヒカリの密植栽培は、茎数、穂数、籾数がやや過剰であり、早期に倒伏したこと、及び登熟期間前半の日射量不足等の影響が重なって登熟歩合が劣り低収になった。倒伏の原因は、稈が長く細くなり倒伏抵抗力が劣ったことによると考えられ、80株の栽植密度及び節間伸長期の窒素吸収が影響したものと推察された。なお、本試験の施肥水準間には有意でかつ大きな差は認められなかった。 |
カテゴリ | 肥料 大麦 水田 施肥 良食味 |