(2)V溝直播栽培による高品質・良食味 、米生産技術の開発

課題名 (2)V溝直播栽培による高品質・良食味 、米生産技術の開発
研究機関名 石川県農業総合研究センター
研究分担 作物栽培G
研究期間 新H23~25
年度 2011
摘要 目的:直播栽培は作期の拡大や省力化が図れることから、移植栽培と組み合わせることは大規模稲作に適応した技術体系として有効である。加えて、V溝直播は冬季に代かきを行うことで春作業を分散することができるため、規模拡大に有効な技術として県内で普及している。本県では、コシヒカリの直播栽培が多くを占め、移植栽培との作業競合の問題も生じている。そこで、作期延長を図るため、晩生の有望系統石川58号を直播適性を検討するとともに、施肥量についても検討する。
、成果:1)V溝コシヒカリに比べ、石川58号の出穂期は7日、成熟期は8日遅く、5月20日移植のコシヒカリと比べても出穂期は15日、成熟期は20日遅い。5月6日移植の石川58号と比べても出穂期は10日、成熟期は2週間遅い。2)多肥区の初期生育は旺盛で、生育期間を通じて多肥区の茎数は標肥区より多く推移した。草丈、葉色についても、多肥区は標肥区より高く推移した。石川58号の倒伏程度はコシヒカリに比べ軽微で、11kgN/10aの施肥量で倒伏程度は少である。
、3)多肥区の収量は599kg/10aで、標肥区に比べ有意に多い。収量構成要素のうち、穂数の増加に伴い総籾数が増加したことによるものと考えられる。4)精玄米重600kg/10a確保するために必要な穂揃期までの窒素吸収量は、12kgN/10aと推定される。5)石川58号に乳白粒や胴割粒の発生は少なく、外観品質はコシヒカリより優れる。また、11kgN/10aの施肥量であっても、玄米タンパク質含有率の増加は少なく、県目標値(6.5%以下)であり、食味への影響は小さい。
、以上より、コシヒカリと作期の分散が可能で、コシヒカリ以上の収量と品質が得られることから、石川58号のV溝直播栽培は大規模稲作に適応した技術体系と考えられる。また、施肥量を11kg程度とすることで、石川58号の品質を確保しながら多収栽培が期待できる。
カテゴリ 規模拡大 直播栽培 省力化 施肥 春作 良食味

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