課題名 | 野生鳥獣害被害を防止する技術の開発 |
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研究機関名 |
長野県農業試験場 |
研究分担 |
企画経営部 |
研究期間 | 継H21~24 |
年度 | 2011 |
摘要 | 1.被害をうけにくい作物の選定 、目的:鳥獣害による農作物被害が増加しているため、被害に遭いにくい農作物を選定する。 、成果:野生鳥獣に対し被害を受けにくい作物として、ニホンザルについては、ハバネロ、ししとう、パセリ、モロヘイヤ、ケール、あわ、ごま、アマランサスを選定した。 、 、2.エサ資源を低減させる営農管理についての検討 、(1)果樹栽培における未収穫果実・収穫残さ調査 、目的:ハクビシン等中型獣の加害が多い果樹栽培でのエサ資源量を把握する。未収穫果実および収穫残さに関する農業者の意識調査を行う。 、成果:7月に収穫された巨峰加温栽培ハウスにおける11月時点での未収穫果実、2度成り果実の量は10a当たり112kgとなった。 、(2)採草地・放牧地における防護柵設置効果の検証 、目的:ニホンジカの食害を受けている草地の電気柵による侵入防止効果を検証する。 、成果:簡易型電気柵(改良型FPPF)のイノシシに対する効果を調査し、イノシシに対する侵入防止効果が確認された。 、ニホンジカに対する試験の継続調査では、既存柵と電気柵両方を飛び越えて侵入するニホンジカが確認された。 、 、3.既存防護柵の改良と新たな柵の検討 、(1)多獣種に対する電気柵の検討と改良 、目的:他県やメーカーが開発した多獣種対応の電気柵を参考に、安価で効果的な電気柵を考案する。 、成果:ポリエチレン製ネットと電気柵を立体的に組み合わせた防護柵で、ニホンザル、イノシシ、ニホンジカと中型獣の侵入防止ができた。 、(2)柵開口部からの侵入対策の検討 、目的:公道等柵を設置することが困難な場所での有効な対策を確立する。 、成果:グレーチングの敷設(路面白色ライン併用)、音響装置の設置の効果を検証した。 、 、4.被害回避技術の開発 、(1)野菜類の簡易防護器の開発 、目的:電気柵などが設置できない小規模農地において、簡易的な方法で農作物を守る資材を考案する。 、成果:ポリエチレン製樹木剥皮防止ネットをさつまいもの定植直後から畝の上にかぶせ、ペグで固定することによるニホンザルの被害の回避効果を確認した。トマト類の雨よけ施設に亀甲金網を追加することによりニホンザルの被害を回避できた。 、(2)防護柵の効果的な設置 、目的:集落ぐるみで導入された物理柵及び電気柵について踏査し、設置効果・管理上の問題点を明らかにする。 、成果:補助事業等を用いて設置する防護柵の設置場所の指導や、すでに設置された防護柵の改善指導を行った。ワイヤーメッシュ+電線型電気柵や金網柵の下部からイノシシの侵入を確認した。6段に張られた電気柵で、線と線の間をくぐって侵入するニホンジカを確認した。 、(3)鳥害防止技術の開発 、目的:カラス害防止技術の開発 、成果:水稲直播栽培において、ハバネロパウダーを混合コーティングした直播試験を行ったが、明確な効果は得られなかった。 、(4)積雪地の果樹被害防止技術の確認 、目的:積雪期間中の果樹被害防止として忌避剤の効果を確認する 、成果:冬期間ニホンジカの被害があるりんご園において、忌避剤の効果確認を行った。 、 、5.中型獣の被害防止 、(1)効果的な侵入防止柵の開発 、目的:電気柵を併用した簡易かつ効果的な柵の開発 、成果:ビニールハウス周囲のすそ張り上部に、ガイシおよびポールを使って電気柵を1段設置することにより、ハクビシンの侵入防止ができた。 、 、6.有害鳥獣の捕獲効率向上 、(1)わな設置場所への誘引 、目的:有害鳥獣の捕獲効率を上げるため、わなおよび檻等の設置場所へ対象獣を誘引する方法の考案 、成果:農地周辺、公共牧場におけるニホンジカの誘引に市販の塩類(食塩、天日塩、鉱塩)が利用できることを確認した。 |
カテゴリ | アマランサス あわ ケール ごま 栽培技術 直播栽培 ししとう 鳥害 鳥獣害 とうがらし トマト パセリ 防護柵 モロヘイヤ りんご |