琵琶湖生態系修復総合対策研究 、 、 、

課題名 琵琶湖生態系修復総合対策研究 、 、 、
研究機関名 滋賀県水産試験場
研究分担 1.栽培技術担当・生物資源担当・環境病理担当
2.栽培技術担当・生物資源担当
3.栽培技術担当
研究期間 1.継H15~ 、2.継H17~ 、3.継H21~
年度 2011
摘要 1.生物多様性モニタリング調査
、 琵琶湖漁業の生産基盤である琵琶湖の生態系を、生物多様性(種多様性・遺伝子多様性)に配慮して総合的に修復するための技術開発研究に取り組んだ。
、(1)沖びき網漁業がアユ資源へ与える影響の評価(平成22年度~)
、影響評価を行うためのコホート解析法を用いたシミュレーションモデルを構築中である。
、(2)引き縄釣がビワマス資源へ与える影響の評価(平成22年度~)
、近年ビワマス資源への影響が懸念される引き縄釣りの漁獲物について平成22年に引き続き調査を行った。引き縄釣りは、主要漁法刺網に比し、比較的小型・若齢の個体を採捕する傾向は2ヶ年共通していた。その影響も昨年と同様、漁獲魚・回帰親魚の組成を見る限り認められなかった。
、(3)ホンモロコ遺伝的多様性の評価(平成16年度~)
、遺伝的多様性への影響に配慮したホンモロコの栽培漁業を進めるため、ミトコンドリアDNA調節領域を用いて解析した。琵琶湖沿岸や内湖で採取したホンモロコ産着卵から得たふ化仔魚、琵琶湖で漁獲された親魚および放流用種苗間で遺伝的な分化は検出されなかった。さらに、放流種苗は天然集団と比較して遺伝的多様性の減少も認められなかった。
、(4)外来魚駆除効果の評価調査(平成16年度~)
、外来魚の駆除量や駆除された外来魚のブルーギルとオオクチバスの割合などから平成23年度当初の外来魚生息量を試算中である。
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、2.沿岸帯の魚貝類生産機能修復再生研究
、I.ホンモロコ繁殖要因の解明研究(平成19年度~)
、 近年ホンモロコの生息量が増加傾向にある伊庭内湖において、ホンモロコ稚魚の分布、成長等、繁殖にかかる要因を調査するとともに、琵琶湖周辺におけるホンモロコの産卵状況を調査した。
、・伊庭内湖におけるホンモロコの産卵量や稚魚生息量を推定するため、標識した発眼卵や20mm稚魚を放流したが、標識魚の採捕数が少なかった。今年度は、天候不順等により評価用のホンモロコ発眼卵および種苗にかかる採卵が不調で放流時期が遅れたため、調査時期も当然時機を逸した感があり、採捕調査結果に何らかの影響があったものと思われる。
、・ホンモロコの産卵状況を調査したところ、2011年は降雨により水温の上昇が例年より遅く、産卵期も例年より遅くなった。また、水位上昇後速やかに水位が低下したことから、ホンモロコの産着卵の干出割合も例年より増加した。この知見は今後も琵琶湖河川事務所に伝え、水位操作の改善を求めて行く必要がある。
、II.スジエビ資源の漁況予測技術開発研究(平成23年度~27年度)
、 近年、スジエビの漁獲が低迷し、資源的な解析が求められている。漁業者、流通業者への聞き取りと漁獲標本調査から、スジエビの生活史(繁殖時期、移動、成長 等)を調査した。その中で、スジエビの繁殖は春(5月)には既に抱卵している。抱卵個体は9月までみられ、繁殖期間は春~初秋と長いことがわかった。春~夏は水深5m以浅に分布するが、9月には7~10mと徐々に沖の深みへと拡がり、10月中旬にはさらに沖合の深み20~30mへ移動をすること。晩秋~初冬にはさらに深み(50~60m)へ移動することが確認された。また、2月には竹生島西側を中心とする琵琶湖最深の60~80mへ移動すること、さらに2月には幼エビが漁場に加入してくること、漁業者からの聞き取りでは今年は近年の中では比較的好漁であることなどがわかった。
、III.淡水真珠生産機能回復研究
、 西の湖、堅田内湖、赤野井湾に母貝を垂下し成長をモニタリングしたところ、西の湖では タンスイカイメンが大量発生しており、一部成長の阻害が認められたことから、その原因、対策について検討する必要がある。また脱離仔貝をアップウェリング容器を用いて給餌飼育し、約1cmまで育成することができた。
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、3.水産資源造成技術開発
、I.水田等水辺利用による水産資源の効率的回復技術開発研究(平成21年度~23年度)
、 重要水産資源であり、栽培漁業対象種であるニゴロブナ、ホンモロコ、ゲンゴロウブナおよびワタカについて、水田を活用した種苗生産放流技術を確立し、マニュアル化することを目的に、研究を実施した。なお、本研究の多くは、農林水産省の競争的資金を受けて、滋賀県立大学等と共同で実施した。
、(1)魚類生産を支える餌料生物の生産力の解明(滋賀県立大学に委託して実施)
、・水田への施肥量と出現する動物プランクトン量の関係を調べたところ、動物プランクトン現存量と施肥量の間に明瞭な関係は見いだせなかった。動物プランクトン量の増殖パターンは、どの水田でもほぼ等しく、2週間目くらいから急激に増加する傾向を示した。
、(2)重要水産資源の種苗生産放流技術の開発
、・ニゴロブナでは、水田に30~50尾/m2収容して生産すれば、種苗生産施設での生産と比較して、高成長、高生残で、さらに大幅なコスト減となる。
、・ホンモロコおよびゲンゴロウブナでは、水田を活用した種苗生産のほうが、種苗生産施設より高成長であった。特にゲンゴロウブナでは生残率60%と安定して高い生残であった。
、・ワタカでは、田植え後の水田を活用した種苗生産では、成長は種苗生産施設と同程度であるが、生残率が低く、ふ化仔魚収容直後に何らかの課題があると考えられた。
、(3)水田から流下後の稚魚の分布と食害の影響の把握(滋賀県立大学に委託して実施)
、・彦根市野田沼周辺の水田でニゴロブナおよびゲンゴロウブナを生産して、中干し時の落水により、農業用排水路へ流下させた。これら稚魚を追跡したところ、2週間以内に流下地点周辺からほぼ消失し、下流(琵琶湖方向)へ分散していくことが分かった。
、II.培養餌投与によるセタシジミ仔貝の初期育成技術の開発
、 効率的に大型種苗を育成するため、農林水産技術会議からの委託を受けてアップウェリング方式によるD型仔貝育成の条件検討を行った。
、・昨年度試作した簡易湖水濾過装置を用いて掛け流し飼育を実施したところ、プランクトン量の多い西の湖の湖水を用いた場合、D型仔貝から45日間の飼育により、平均殻長536μm、生産密度333万個体/m2の給餌飼育に匹敵する生産結果が得られ、低コストな種苗生産方法が見いだされた。
カテゴリ コスト すいか 水田 施肥 低コスト 繁殖性改善 モニタリング

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