課題名 | オホーツク重粘土壌地帯における飼料用とうもろこしの安定生産技術の確立 |
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研究機関名 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場 |
研究分担 |
生産環境グループ |
研究期間 | 新 、H24~26 |
年度 | 2012 |
摘要 | a 試験目的:オホーツク重粘土地帯における飼料用とうもろこしの安定生産技術を確立する。 b 試験方法: 、 (a) 生産阻害要因の解明 、 現地実態調査:遠軽町、同一圃場内での生育の良否の違いを含む延べ23箇所。調査項目:聞き取り(土壌・有機物・肥培管理、播種方法、品種、耕種概要など)、栽培密度、出芽状況、生育・収量、養分吸収量、土壌理化学生など。 、 (b) 安定生産技術の確立 、 試験地:遠軽町現地圃場(細粒質普通灰色台地土)。試験処理:1)心土破砕試験(ハーフソイラを用いた心土破砕処理の有無および弾丸(Ф120mm)付きの有無。2)耕起法試験(プラウ耕起の有無)。3)施肥適正化および省力化試験(窒素追肥処理の有無、緩効性窒素入り肥料の施用効果)。調査項目:土壌水分の推移、出芽率、生育、収量、土壌理化学生、窒素吸収量。 、 c 成績の概要: 、 (a) 現地実態調査(平成23年度予備調査を含む)の結果を土壌分類別にみると、細粒質普通灰色台地土圃場は、礫質普通褐色低地土圃場に比べて生育、収量が劣った。また、同一圃場内で生育良否別に比較すると、生育不良箇所は砕土率が低く、欠株率が多い傾向があり、その傾向および生育不良程度は粘質な細粒質普通灰色台地土圃場で顕著であった。 、 (b) 同一生産者の圃場間、同一圃場内の生育不良箇所の比較調査から低収圃場の土壌環境および土壌・肥培管理状況の特徴を整理した。低収圃場の土壌物理性は、腐植が少ない。粘土含量が多い、土壌堅密化、透水性が不良等で不良であり、さらに土壌の練り返しにより悪化している。また、同圃場では物理性不良箇所に堆肥を鋤込むことで、排水不良時に土壌の還元化を助長している。施肥は全量基肥施用で行っており、窒素施肥量が少ない。低収圃場の一部には強酸性土壌がある。 、 (c) 心土破砕試験の結果、心土破砕処理により顕著な物理性改善効果はみられなかったが、心土破砕処理系列では欠株率がやや少なく、生育が比較的良好となり、収量性が良好となった。特に、その効果はトラクターの車輪上に爪が入る2本爪弾丸なし区で高かった。耕起法試験の結果、プラウ耕起区は物理性の改善が図られ、生育・収量が良好であった。なお、プラウ耕起は前年10月の土壌が比較的乾いている時に実施した結果である。 、 (d) 現地圃場11筆で窒素追肥(約6kg/10a)を行い、土性で区分した土壌別にその効果を比較したところ、収量水準が比較的低かった細粒質土壌では、追肥により推定TDN収量が平均で9%増収し、乾雌穂重量割合がやや高まった。一方、収量水準が比較的高かった中粒質土壌では、追肥により推定TDN収量、乾雌穂重量割合の増加がみられない事例が多かった。ただし、両土壌に共通する追肥効果として、桿長、雌穂乾物率の増加やすす紋病の発病程度の低下がみられた。 、(e) 現地圃場2筆(中粒質土壌)で緩効性窒素入り肥料の全量基肥施用の効果を検討した結果、農家慣行区より2~5kg/10aの窒素増肥で、推定TDN収量が平均2割程度増収した。 |
カテゴリ | 肥料 省力化 飼料用作物 施肥 とうもろこし 土壌環境 播種 肥培管理 品種 |