課題名 | 1 大規模経営を発展させる土地利用型作物の栽培技術の確立 、1)水稲の疎植栽培による超低コスト技術の開発 、(2) 欠株が収量品質に及ぼす影響調査 |
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研究機関名 |
石川県農林総合研究センター農業試験場 |
研究分担 |
作物栽培G |
研究期間 | 完H24 |
年度 | 2012 |
摘要 | 目的:水稲の疎植栽培は育苗箱数の削減による低コスト化、育苗管理や運搬の軽労化に有効である。しかし、栽植密度が疎であることから、慣行栽培に比べ欠株部分の株間空間が大きくなり、補償作用があるとはいえ収量の減少が懸念される。そこで、栽植密度と欠株の程度による収量に及ぼす影響について調査する。 、成果:茎数及び穂数について、移植1月後の調査株茎数は、「欠株なし区」と比較して、多い区少ない区が見られたが、最高分げつ期頃には全ての栽植密度の欠株のある区が「欠株なし区」を上回り、穂数も同様に多い傾向であった。 、 調査株の1株あたり精玄米重は、穂数の増加と連動する傾向であった。60株では欠株数が多くなると株あたり精玄米重が増加する傾向であったが、50株、42株、37株の疎植では欠株なし区の株より増加しているが、欠株が多くなるほど精玄米重が増加する傾向は見られなかった。 、欠株区周辺株の精玄米重をm2当たりに換算した収量は、1)60株では、「欠株なし区」と比較して「1欠株区」「2連続欠株区」で同等、「3欠連続欠株区」でやや多い。2)50株では、「1欠株区」でやや少ないが、「2連続欠株区」で同等、「3連続欠株区」で多い。3)42株では、「1欠株区」及び「2連続欠株区」で少ないが、「3連続欠株区」では同等。4)37株では、「1欠株区」でやや多く、「2連続欠株区」で多いが、「3連続欠株区」では88%とかなり少ない。 、株間距離と株当たり穂数及び収量について、欠株によって株間距離が大きくなると、株当たり穂数及び株当たり精玄米重が増加するが、より大きくなると増加が頭打ちになる傾向であった。欠株距離の拡大に伴う株当たり穂数及び精玄米重の増加程度は栽植密度が密なほど大きく、疎なほど小さい傾向であった。とくに、42株や37株では欠株数の増加(株間距離の拡大)によっても増加程度に一定の傾向は見られなかった。欠株区周辺株のm2当たり換算収量は、株間距離によって大きな差は見られなかったが、37株の「3連続欠株区」で低下程度が大きいと考えられる。 、 以上から、3.3m2当たり60株、50株、42株植えにおいて3連続欠株(欠株率14%)、株間距離がそれぞれ、69cm、85cm、104cmとなっても収量は欠株なしと同等であること、37株植えの3連続欠株(欠株率14%)、株間距離120cmでは収量低下のおそれがあることが示唆された。 |
カテゴリ | 育苗 軽労化 栽培技術 水稲 大規模経営 低コスト |