13 V溝播種機を用いた不耕起大麦栽培における生育及び収量 

課題名 13 V溝播種機を用いた不耕起大麦栽培における生育及び収量 
研究機関名 石川県農林総合研究センター農業試験場
研究分担 作物栽培G
研究期間 完H24
年度 2012
摘要 目的:水稲不耕起V溝直播栽培の普及拡大に伴い、生産現場ではV溝播種機の導入が進んでいる。播種機の汎用利用と省力栽培を目的に、当該播種機を用いた不耕起播種による大麦栽培を検討する。
、成果:出芽苗立ちは概ね良好で、本数171本/m2となった。播種溝に同居する速効性肥料の濃度障害が懸念されたが、無施肥区の苗立本数が159本/m2であったことを考慮すると、肥料による出芽阻害の影響はないと考えられた。不耕起のため作土層が硬く、縦浸透が小さくなり、降雨による土壌表面の停滞水が存在する部分では出芽不良となった。茎数の推移は、慣行区(出芽後生育の劣る栽培基礎調査晩播区)と同様であった。越冬前茎数は少なく、越冬後に茎数増加が見られたが最高分げつ数は少なくなった。種子位置が土中深く強固な溝内にあることから、水稲V溝直播と同様に個体あたり分げつ発生数が少なく観察された。出穂期及び成熟期は慣行と大差なかった。成熟期に倒伏は無かった。雑草発生が多く、11月半ばからギシギシやスズメノカタビラが発生し、春期にはコヌカグサが多発生した。今回の試験では5種の除草剤を使用したが、成熟期にはイネ科雑草を主体に雑草が繁茂し、雑草抑制は容易ではなかった。
、収量は、穂数が少ないことから坪刈り精子実重で356kg/10aと低位であった。穂数は少ないが子実の肥大は良好で、粒厚2.4mm以上比率98.8%、千粒重43.1gと高くなった。また、容積重も691g/Lと慣行より大きかった。
、以上、V溝播種機を用いた不耕起大麦栽培は、同溝内の肥料は出芽苗立ちに悪影響がなく出芽苗立ちは問題ないが、分げつの発生が少なく穂数が不足するおそれがあることが示唆された。播種量を増やし、単位面積あたり個体数を多くして分げつ数の不足を補うことを検討する必要がある。また、根域が小さい可能性もあり、登熟期の栄養状態を維持するうえでも施肥量の増量についても検討が必要である。なお、播種前の耕起・砕土圃場におけるV溝播種栽培は、播種量及び施肥量について検討が必要であるが、慣行栽培と同様の生育が期待できると考える。
カテゴリ 肥料 病害虫 大麦 雑草 直播栽培 出芽不良 除草剤 水稲 施肥 播種

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