課題名 | (イ)ゲノム情報を活用した研究開発の高度化 |
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課題番号 | 2012020515 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
桑田晃 藤原篤志 斉藤憲治 中村洋路 長井敏 釜石隆 坂見知子 坂本節子 及川寛 佐野元彦 清水昭男 筧茂穂 安池元重 菅谷琢磨 中易千早 嶋原佳子 紫加田知幸 甲斐渉 小林敬典 柳本卓 |
協力分担関係 |
国立遺伝学研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 重要水産生物のゲノム構造と遺伝子機能の解明では、クロマグロゲノム解析により、全ゲノム配列から約26,000の遺伝子を予測し、その中からクロマグロで初めて視覚に関する遺伝子であるオプシン遺伝子の全種類(ロドプシン、青、緑、赤、UV)を発見し、このうち緑や青のオプシン遺伝子がマグロで急速に変化していることから、外洋環境への視覚適応との関連が有ることを明らかにした。 この他、スサビノリの無菌プロトプラストから得られた共在細菌の混入のないDNAからドラフト配列(46,634コンティグ:計4,300万塩基)を得て、網羅的な発現遺伝子配列も参考として、バイオインフォマティクス等の解析を行った。従来予想されていたよりも小さなゲノムサイズであることが推定され、イントロンがほとんど無いことからも、そのコンパクトさが裏付けられた。また、ビタミンB12合成系の遺伝子がなく、共在細菌の役割が示唆された。セルソーターを用いてウナギの染色体分離を試みた。さらに、遺伝情報を用いた個体群動態推定手法の開発のため、個体群動態モデルにより標本のDNA配列データの多型パターンを再現し、実際の解析結果と比較するとともに個体群変動幅との関係を検討した。 海洋微生物等のメタゲノム解析手法の開発では、海洋細菌、プランクトンやそのゲノムを網羅的に検出・同定するメタゲノムの解析技術を確立し、多数のプランクトンメタゲノムデータを取得した。鉄沈澱によるウイルス濃縮法を確立し、養殖場海水からウイルスのメタゲノムデータを得ることに成功した。リファレンス配列として、殺藻細菌1株、魚病細菌6株、魚病細菌感染ファージ10株の全ゲノム解読を終了するとともに、殺藻細菌分離株の殺藻時の発現遺伝子情報を得た。原因プランクトンが警戒密度(5細胞/mL)以下であってもHPLCによる分析手法で海水中貝毒量の変化を捉えられることが判明した。さらに主要有害赤潮プランクトン(5種類)のTaqMan-MGBプローブによるリアルタイムPCRの定量系を確立した。病態と病原体ゲノム量の関係把握のため、感染試験における飼育水中の病原体量の測定を経時的に行った。 |
カテゴリ | モニタリング |