課題名 | 野菜におけるゲノム情報基盤の構築と利用技術の開発 |
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課題番号 | 2012020370 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
福岡浩之 |
協力分担関係 |
生物研 かずさDNA研究所 東大農 三重大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 汎用的なトマト及びナスのDNAマーカーセットの開発に関しては、a)国際トマトゲノムコンソーシアムに参画し、トマト全ゲノム解読の完了に貢献するとともに、得られた情報をトマト及びナスのDNAマーカーセットの開発に活用した。b)次世代シーケンス法によって構築したナスの断片ゲノム配列に基づいて系統間多型頻度が極めて高いゲノムSSRを真性クロマチン領域特異的に開発し連鎖地図上にマッピングすることにより、ゲノム全体の90%以上をカバーする汎用性の高いマーカーセットを構築した。c)1536SNPを搭載する独自開発のトマトタイピングチップによるマーカー遺伝子型情報により各系統・品種の特徴を反映したクラスタ構造が得られることを663品種系統の分析によって明らかにした。d)トマトの収量性、糖度等の重要形質のQTL解析のためにその両親系統の全ゲノムリシーケンスを行って8万以上のSNPを新たに見出し、そのうち209個によって6つの主要QTL領域を1cMの分解能で詳細化した。 結果性等重要形質の遺伝解析と制御遺伝子の単離に関しては、a)単為結果性遺伝子座近傍に組換えを持つトマトF3系統を選抜し、その後代F4系統から遺伝子型がホモ化した系統を選抜後に単為結果性の評価を行い、単為結果性遺伝子座pat-2を絞り込んだ。単為結果性候補遺伝子のRNAi組換え体を作出し、単為結果性を示すことを確認した。b)ナス単為結果性遺伝子候補領域(A1)を、対応するトマトのゲノム上で約50kbの物理距離内に絞り込み、その半分をカバーするBACコンティグについて塩基配列を決定した。トマトとのシンテニー解析により、同領域に座乗すると推定される2つの候補遺伝子を得た。 結果性等重要形質の機能解明に関しては、a)トマトのサイトカイニン生合成酵素遺伝子群の発現が花器官特異的に高いことを明らかにした。また、オーキシン生合成酵素遺伝子群の発現について、開花当日に一過的に発現が上昇する遺伝子と受粉後に発現が上昇する遺伝子があることを明らかにした。b)ナスの単為結果性QTLのうちCop3.1を有する系統の単為結果果実と、CPPU処理により着果させたトマト果実の解析により、ナスの遺伝的単為結果とトマトのCPPU処理による単為結果との間に、受粉果実よりも細胞の肥大が小さく果実重も小さいという共通性を見出した。 |
カテゴリ | 施設園芸 受粉 単為結果 DNAマーカー トマト なす 品種 |