かび毒産生病害からの食品安全性確保技術の開発

課題名 かび毒産生病害からの食品安全性確保技術の開発
課題番号 2012020409
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 平八重一之
長嶋等
協力分担関係 (地独)北海道立総合研究機構 十勝農試
長野県畜試
農水省 消費安全技術セ
(地独)北海道立総合研究機構 畜試
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 ムギ類赤かび病に関しては、a)関東以西に普及しているコムギ45品種・オオムギ50品種のかび毒蓄積性を3~4か年の圃場試験により検定し、かび毒蓄積性の品種間差を明らかにした。b)平成23年度に作成・改良したコムギの開花期を予測するモデルについて予測精度の検証を行った結果、誤差は3日以内であった。オオムギの発育予測モデルとして、播種から出穂期までは気温と日長を考慮するDVRモデル、出穂期以降は気温のみを考慮するDVRモデルを採用し、オオムギ2品種(「ニシノホシ」、「ニシノチカラ」)の発育予測モデルを作成した。c)六条オオムギ(裸麦)の追加防除は、開花期の薬剤散布が適切に行われている場合、発病状況に応じて開花10~20日後に行うのが有効であることを明らかにした。また、コムギ品種を用いた圃場試験により、栽植密度及び耕起・不耕起がかび毒蓄積に影響しないことを示した。
トウモロコシ赤かび病に関しては、自然発生圃場において、発病度の低かった品種も子実を人為的に針で傷つけた場合には他の品種と同程度に発病し、子実損傷が赤かび病菌の侵入を助ける要因であることを明らかにした。また、殺虫剤(BT剤)の散布試験から子実損傷の一部は虫害によることが示唆された。さらに、熊本の4月播種4品種、5月播種8品種の飼料用トウモロコシの赤かび病発病度に品種間差を認めた。
かび毒の動態解明、分析法の高度化、毒性評価法の開発に関しては、a)DON濃度を上質粉の水分含量で補正し、最終食品における補正加工調理係数は0.5未満であることを示し、ゆでる調理法は最終食品のDON濃度を減少させるのに有効であることを明らかにした。b)赤かび病かび毒による汚染を受けた輸入トウモロコシ粉末を供試し、T-2トキシンとHT-2トキシンについて新規配糖体の存在を明らかにした。このほか、代表的なムギ汚染かび毒のデオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)、T-2トキシン(T-2)、HT-2トキシン(HT-2)、ゼアラレノン(ZEA)についてLC/MS/MSを用いた一斉分析法を確立し、室間共同試験により本手法の妥当性を確認した。c)ヒト白血病細胞HL60をDONで処理すると顕著にマクロファージ炎症タンパク質(MIP)-1αとMIP-1βの分泌を誘導するが、NIV処理では両サイトカインの分泌は濃度に依存して減少することを認め、DONとNIVの毒性作用には明確な違いがあることを示した。d)酵母の多剤耐性トランスポーター遺伝子PDR5の変異株において、15AcDON、DON、及びFusXに対する強い感受性を認めた。また、遺伝子発現変化の比較では、ミトコンドリアに局在するリボソームをコードする遺伝子群の抑制と、核や細胞質に局在するリボソーム遺伝子群の誘導を観察した。
カテゴリ 大麦 加工 飼料用作物 とうもろこし 播種 評価法 品種 防除 薬剤

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