食品及び食品素材の高付加価値化技術の開発

課題名 食品及び食品素材の高付加価値化技術の開発
課題番号 2012020434
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 門間美千子
協力分担関係 日清製粉
日本製粉
日ノ本穀粉
パナソニック
お茶の水女子大学
国際熱帯農業研究所
アベオクタ連邦農業大学(ナイジェリア)
東京農業大学
三和油脂
高清水食糧
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 食品素材成分の特性及び組織構造の解析に関しては、a)米の利用特性に影響を及ぼすでん粉特性等の評価法を開発し、多面的なテクスチャー解析を行ったところ、米粉カステラは圧縮応力値が低く、やわらかい傾向を認めた。米粉入り麺については、圧縮荷重値、引っ張り強度並びに伸び率ともに、試料間の差が顕著であった。b)MRIを用いた吸水後の米粒の水分プロファイルの解析により、米粒内への吸水特性には品種間差異があることを明らかにした。また、表層から中間層の水分はアミロース含量と負の相関があるが、中心部の水分はアミロース含量と相関せず、米粒内での吸水特性の相違は貯蔵でん粉密度が影響している可能性を見出した。c)米粉の吸水性評価に使用する容器の最適化を行い、篩い分けした米粉及び米粉中のでん粉の結晶化度を制御した米粉について吸水性を評価したところ、吸水量、吸水速度ともにでん粉の結晶度と高い相関を見出した。d)米粉製粉における粒度分布の測定条件について検討したところ、乾式及び湿式レーザー回折散乱法粒度分布測定装置による平均粒径値は高い正の相関を認めたが、平均粒径の増大に伴い測定値が乾式では湿式よりも大きくなる傾向を見出した。e)米粉パンを製造するときの加水量決定方法を開発し、400BUのファリノグラフ最高粘度を示す場合が適正水量であることを明らかにした。米粉パンの試料膨化測定法を開発した。f)酵母エキスを用いたグルテンフリーパンの製法を確立した。本製法では、食塩を添加してもグルテンフリーパンが膨らむ。米粉パンの生地硬さの指標として混捏時の生地の消費電流値を測定し、焼成時の生地膨張には生地の軟らかさが重要であると推察した。g)米粉におけるでん粉分解酵素の分布を調査するための抗でん粉分解酵素モノクローナル抗体について複数の産生株を得た。
食品素材の品質に影響を与える蛋白質、多糖類等の解析に関しては、a)でん粉を含む多糖素材について水酸化カルシウムの前処理効果を解析し、効率的糖化のための水酸化カルシウム濃度、温度処理条件、でん粉分解酵素添加条件を設定した。b)ヤムイモ由来でん粉の理化学的特性を調べ、D. dumetorumは例外的にサトイモでん粉と類似した特性を示すこと、ヤムイモでん粉が長期貯蔵中に変質しうることを見出した。c)馬鈴薯由来のアミロペクチンと4種類の多糖類との相互作用を解析し、キサンタンガムのみがアミロペクチン層に吸着することを見出した。この相互作用が、キサンタンガムが示したでん粉の酵素分解を遅延させる作用の主な要因であることが明らかになった。d)調理・加工におけるでん粉の糊化工程や多糖類による粒子形成が、食品中の蛋白質やアレルゲンの挙動に影響することが明らかになり、アレルゲンの混入を低減する食品加工技術開発の基礎的知見を得た。e)複数の品種の米から米アレルゲンを含む塩可溶性蛋白質画分を抽出し、品種により高分子タンパク質の種類・量に差がある可能性を見出した。f)複合脂質について、脂溶性機能成分の腸管吸収調節機能を細胞レベルで検討し、葉物野菜に含まれるグリセロ糖脂質のジガラクトシル-及びスルフォキノボシル-ジアシルグリセロールはβ-カロテンの腸管上皮モデル細胞への吸収を抑制することを明らかにした。g)米脂質の品質劣化について、玄米と胚芽米の高温貯蔵によって遊離脂肪酸が増加し脂質が劣化すること及び脱酸素剤の使用はさらに遊離脂肪酸含量を高めるが劣化を抑制することを明らかにした。h)米糠のマイクロ波照射及び玄米外層処理により、遊離脂肪酸の発生を抑え、精製工程の複雑化を招く糠のワックス分を低減できることを見出した。
カテゴリ 温度処理 加工 高付加価値 さといも 長期保存・貯蔵 評価法 品種

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